研究課題/領域番号 |
07610270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉谷 武志 九州大学, 教育学部, 助教授 (60182747)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 異文化間教育 / 多文化教育 / 外国人子女教育 / EU統合と教育 / マイノリティ教育 / 移民の教育 / フランスの教育 / フランス教育 / 教育政策 / 移民子弟教育 |
研究概要 |
本研究は、日本において必ずしも未だ知られてはいない、フランスにおける「異文化間教育」の理論的、政策的な側面について明らかにすることを目的として実施した。 2年計画の最終年度である本年度は、下記のような研究成果を元に、研究成果報告書を刊行した。 (1)フランスの異文化間教育は、当初移民の子どもたちの教育のための外国人子女教育から始まったが、今日、異文化共生のためのすべての子どものための教育へとその可能性を広げてきていること、 (2)しかしながら、移民の定着、定住化が進む中で、彼らをフランス人として教育する現実の要請をうけて、彼らの「フランス国民としての」質の向上のための教育へと傾斜しつつあり、従ってその際には、彼らの文化的背景(差異)への注意が後退しがちであること (3)異文化間教育には、フランス社会における文化的な背景を異にする人々同士の共存・共生のための教育としての側面と、上記の国民教育としての側面がともにあるということ、 (4)ヨーロッパ統合のインパクトは、異文化間教育に、ヨーロッパ域内における国民国家間の文化的相違に注目させる傾向を生じさせていること、などを明らかにした。 以上のことにより、フランスにおける「異文化間教育」は民族的、文化的、宗教的背景を異にする人々の共存・共生のための教育としての側面と、未だ国民国家の枠組みを堅持する側面との両者から成り立っていることが明らかになった。前者の可能性がさらに発展していくためには、異文化間教育のさらなる理論構築とEU統合等の今後の動向にかかっているものと考えられる。
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