研究概要 |
国立教育研究所では、教職員研修講座の重要性に鑑み、昭和63年度より毎年全国の教育研究センター等に調査を依頼し、収集した講座情報をデータベース化してきている。このデータベースは、わが国全体にわたる教職員研修講座についてほとんど網羅しており、そこから得られる情報に基づいて、教職員講座の動向や、各都道府県でのバランスなど、現状についての実態を把握することが可能である。本研究は、これまでに蓄積されてきた国立教育研究所の教職員研修講座データベースの情報を基に、わが国の教育センター等で実施されている研修講座に関する情報について、実態と特徴を明らかにすることを主たる目的とする。 具体的には次の手順により研究を行った。 (1)データベースからの必要情報の抽出とデータ変換 今回分析の材料とする情報は、国立教育研究所の教育情報データベースシステムに蓄えられており、大型コンピュータで管理されている。そこで以下の処理・分析をパソコン上で行えるように、必要な情報をコンピュータから取り出して、パソコンで扱えるファイル形式に変換する。 (2)項目内容の整理 統計分析の前処理段階として、項目内容を統一された用語・表現に修正する。 (3)統計分析 分析手法として、各種記述統計と項目間の相関分析を行う。 結果についての考察の中で比較対照を行うために、次のような層化を考えて統計をとる。 ・都道府県別,・都道府県レベルと市町村レベル,・各教育センター別 さらに、次のような項目間の相関について分析を行う。 ・初任者研修,基礎研究と受講者数,受講資格,講座実施日数 ・一般の研修講座の種類と受講資格,講座実施日数 ・情報教育関係講座の数と講座実施日数、受講者数 (4)結果の考察と研究報告 分析結果については、各種グラフ、表を用いて視覚的に表現し、日本科学教育学会年会にて一部を発表した。今後は、さらに分析を加えて研究論文として発表する予定にしている。
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