研究課題/領域番号 |
07610313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 奈良女子大学 (1996-1997) 広島大学 (1995) |
研究代表者 |
佐野 敏行 (1996-1997) 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (20196299)
佐野 眞理子 (1995) 広島大学, 総合科学部, 助教授 (80206002)
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研究分担者 |
佐野 眞理子 広島大学, 総合科学部, 助教授 (80206002)
佐野 敏行 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (20196299)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | アメリカ社会文化 / 人口動態 / 移民の家族史 / 高齢化社会 / 老後の扶養と世代間関係 / エスニシティと民族誌 / 小都市研究 / 老年人類学 / 19世紀の人口動態 / 老後の扶養 / 歴史人類学 / 家族関係 / エスニシティ / コミュニティ / ジェニダ- |
研究概要 |
本研究は、高齢化の理解のための基礎研究の一つとして老後の扶養関係の1850〜1985年の変化を、米国中西部小都市と周辺農場地域2カ所の歴史的資料と民族誌的資料をもとに、エスニシティに注目しながら明らかにした。当該小都市の人口は1850年458人、1910年8691人、1980年約2万2千人であった。センサス手書き原簿をデータベース化し分析した結果:(1)60歳以上人口が、当該都市で1850〜1910年の間に1.5%から9%、農場地域で1860〜1910年に各々2.7%から7.5%、3.0%から10.0%に増加し、東部移住者とヨーロッパ系移民の流入期が高齢者の「発見」期であったことが判明した。(2)高齢者のいる家は、当該都市で同上期間に8.1%から30.8%へ、農場地域で同上期間に各々11.8%から35.8%、13.6%から34.8%へ増加した。都市でも農場でもほぼ3軒に1軒の割合で高齢者が存在するようになった。(3)当該都市の高齢者のいる家をみると「非親族の同居人」のいる家が、1850〜1910年に66.7%から8.5%へと常に減少した。「単独居」は1860〜1910年に3.4%から9.7%に増加、「夫婦のみ」は10〜20%の間で変動していた。「親子同居」は1860年から70%前後を変動していた。高齢者の夫婦は未婚の子どもとの同居が圧倒的に多かった。高齢の寡婦は1900年まで既婚の娘との同居が多く1910年に未婚の娘との同居が上回った。高齢の寡夫は既婚の息子との同居が多く1910年に未婚の息子との同居が上回った。(4)非親族同居人はヤンキ-系で小さな割合で常にみられ、ポーランド系にはいなかった。少子化はヤンキ-系で先行し高齢者の単身独居・夫婦独居が増えた。多産であるポーランド系の少子化は遅れるものの、高齢者の単身独居・夫婦独居はヤンキ-系と同様に増加し、子どもが結婚時に自分の家を持つ慣行を反映しながら、近隣に留まって扶養関係を維持したと推定される。これらの傾向は、1920年代から1985年にわたる特定の家族の個人史及び家族史の民族誌的資料の分析結果と整合していた。
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