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コンスタンティヌス帝の宗教政策

研究課題

研究課題/領域番号 07610378
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 西洋史
研究機関千葉大学

研究代表者

保坂 高殿  千葉大学, 文学部, 助教授 (30251193)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードキリスト教公認令 / 帝国主義支配 / 赦しの思想 / 俗権と教権
研究概要

古代末期ローマ帝国の支配を根底から支えた理念および具体的様相を、主にコンスタンディヌス帝期からテオドシウス帝期に至るまでの帝国側の公文書史料を用いて明らかにした。二世紀末に始まる大迫害の失敗からキリスト教公認へと至る急激な政策転換は事実「転換」ではなく、優者による劣者の保護に自らの民族的自尊心と使命を認めるところの、共和政末期以降ローマ人にも受け継がれてきたギリシアの哲学思想に支えられた政策の延長であり、公認も単なる戦術変更であった。帝国側の公文書からは、この期間の諸皇帝が自らは有産者の一員として伝統的な貴族政的統治を行う一方、他方では教会を帝国支配の一つの装置と位置づけて下層民への配慮という任務を割り当て、支配の分業化を試みていたことが読みとれる。しかも、帝国がギリシア伝来の帝王学という思想的背景のもと,戦争の敗者に赦しを与えて彼らを積極的に登用し、法的支配の機構の中に組み込んだように、教会もまたキリストの支配の名のもと、罪を犯した罪人に赦しを与えて彼らを教会という法的支配の機構の中に同化してきたのである。その意味で両者は政治および宗教という支配領域の相違こそあれ、支配理念および方策の点では同一の組織を形成してきたと言える。これが一世紀以来の対立緊張と四世紀以来の和合の歴史の根底に流れる原因の一端である。キリスト教が近代においては主に対外戦争や民族対立、あるいは内乱のため国家的統一ないし共同性を緊急に求められた地域、即ちアフリカ、アジアではフィリピン、朝鮮といった帝国主義支配の下に置かれた地域に伝播したという事実もキリスト教が持つ上の性格をよく示している。
今年度はローマ側の文献の分析に終始したため、教会が「帝国」をどう概念化・神学化したかという、神寵帝理念の成立史および発展史の問題は、計画の中に入れていたが果たせずに課題として残された。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 荒井献: "聖書講座" 日本キリスト教団出版局, 900 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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