研究課題/領域番号 |
07610391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
姫岡 とし子 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (80206581)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 繊維工業 / ジェンダー / 女性労働 / プロト工業化 / 工場法 / 工業化 / 女性保護 / 比較社会史 / 近代化 / 工場監督官 / ドイツ |
研究概要 |
日独の繊維工業における大きな相違は、女子労働力比率である。日本の80%に対して、ドイツでは長い間、50%以下で、とくに製織は30%と低かった。 この違いの原因追求のために、プロト工業化時代からの連続性と繊維労働に付与されたジェンダー的意味合いに注目した。両国ともにプロト工業化の時代に農家の副業として営まれた家内工業は、ドイツではしだいに一家で従事する専業労働となり、日本ではもっぱら女性の家計補助労働だった。ドイツの繊維工業は職業資格の取得と結びついた手工業的な組織形態をとったり、あるいは男性が基幹労働、女性や子どもが補助労働を担うという形で男性的意味合いは付与されたのに対し、日本では名人と呼ばれても、専門職として確立されたわけではなかった。労働のジェンダー化は、機械化や新しい技術の導入の時期にも大きな影響を与えている。 次に工場法の制定過程におけるディスクール分析を通じて、労働力のジェンダー化について検討した。日独ともに、保護が必要な女性と不必要な男性の間には、脆弱/強靭、意志薄弱/団結、依存的・無知/自律的、家事/技術、国民の母/兵士といった差異化が行われ、女性の身体やモラルへの国家介入が正当化された。工場法は国民国家の時代、工業発展の時代に適合的な形でジェンダーを定義し、国家秩序、社会秩序、経済・労働秩序をジェンダー化された形で方向づける羅針盤となった。
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