研究課題/領域番号 |
07610428
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国文学
|
研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
須賀 房江 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80187616)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | 源氏能 / 源氏物語 / 中世源氏梗概書 / 連歌寄合 / 半蔀 / 葵上 / 野宮 / 夕顔 / 謡曲 / 中世源氏古注釈 / 源氏小鏡 / 源氏大鏡 |
研究概要 |
『源氏物語』を本説とする謡曲の詞章は、『源氏物語』の本文に直接依拠するよりも、中世源氏梗概書である『源氏小鏡』『源氏大鏡』などに依拠した箇所が多いとされてきた。しかしながら、その実態は、個々の謡曲について必ずしも明らかにされているわけではなく、むしろ謡曲「野宮」などについては、『源氏物語』の青表紙系の本文の直接的影響がいわれる。そこで本文比較のため、天理図書館、神宮文庫、桑名市立図書館蔵の秋山文庫等を調査旅行し、『源氏大鏡』『源氏小鏡』をはじめとする資料を収集した。研究成果報告書のII章では、謡曲「半蔀」を中心に、中世源氏梗概書と『源氏物語』の青表紙系・別本の本文、連歌寄合を厳密に比較することで、謡曲の成立事情やその文学史的特質を解明した。また報告書の「IV 資料編」の調査の成果を盛り込んだ。 こうした中世の源氏亨受の実態を明らかにすることが、翻って『源氏物語』の本性を詳らかにしていくことにつながる。これらの基礎作業をふまえて、週に一回程度、院生達と源氏能と本説との比較検討や、能の内容についての共同討議を行い、『源氏物語』や源氏能のドラマトゥルギーの差異へと考察を進めた。報告書のIII章の源氏能の作品分析は、その成果である。また能の研究者である松岡心平氏と「源氏能の身体と感覚」というテーマで共同討議を行い、その結果を雑誌『源氏物語2』にまとめた。さらに、論文「源氏能とは何か-謡曲「半蔀」のドラマトゥルギー-」(吉井美弥子編『みやび異説-源氏物語という文化』所収)で、世阿弥と源氏能の関係、源氏能の本質、謡曲「半蔀」のドラマトゥルギー等について考察した。
|