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トバイアス・スモレット他編『万国史』における文明概念の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610454
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 英語・英米文学
研究機関宇都宮大学

研究代表者

高際 澄雄  宇都宮大学, 国際学部, 教授 (50092705)

研究期間 (年度) 1995 – 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードスモレット / 『万国史』 / 世界史 / 文明 / 進歩史観 / キリスト教 / 帝国主義 / 普遍主義 / イギリス18世紀 / サルマナザ- / キャンベル / 歴史記述 / グローバリズム
研究概要

世界初の全世界史と言える『万国史』(Universal History,1736-66)において文明はいくつかの観点から捉えられており、多義的な概念となっているが、それを整理すると以下のようになる。
1.キリスト教中心主義的文明観 『万国史』は旧約聖書の天地創造神話を宇宙生成論として採用しており、その歴史記述の根本枠組みにキリスト教史観をもっている。したがって、キリスト教を受け入れている地域の文明を高く評価し、異教を信ずる文明を批判する傾向がきわめて強い。特に、イスラム教に対しては蔑視ともいえる厳しい姿勢が顕著である。
2.進歩史観的文明観 人間社会は未開から文明へと発展しており、その進歩の程度はいくつかの尺度によって判定可能であるとの考えによって文明をとらえる見方である。この観点があるため、『万国史』ではさまざまな地域を記述するのに、農業、技芸、工業、貿易、保健衛生、政治体制、行儀作法、勤勉さ、学問、の実状を記述し、文明の進歩の程度を判定している。
3.帝国主義的文明観 世界各地の産物を記述する際に、イギリスにとってその物産がどのような意味を持ちうるかを前提しているところがあり、ここにはすでに後の帝国主義の眼差しがあると言える。進歩した文明を持つ国民が野蛮な人間から世界の宝を守り、その適切な使い方を示してみせるとの考えである。
普遍主義的文明観 帝国主義的な文明観がある一方で、それぞれの文明をその独自性において捉えるという考え方も兆している。スイスや日本の文明の評価にそれが著しい。
『万国史』の文明概念は多義的であるが、以上の4つの文明観の複合概念であり、その範囲が明確に限定されている。そのために「未開」地域に対してはきわめて理解が浅く、それらの文明の地球環境にもつ意義がまったく無視されている。

報告書

(3件)
  • 1996 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 高際 澄雄: "トバイアス・スモレット他編『万国史』の構成に関する調査" 宇都宮大学国際学部研究論集. 第2号. 33-49 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takagiwa, Sumio: "A Research on the Structure of the Universal History Compiled by Tobias Smollett and Others." Journal of the Faculty of International Studies, Utsunomiya University. No.2. 33-49 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 高際澄雄: "トバイアス・スモレット他編『万国史』の構成に関する調査" 宇都宮大学国際学部研究論集. 第2号. 33-49 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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