研究課題/領域番号 |
07620001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉田 正志 東北大学, 法学部, 教授 (30113872)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 仙台藩法 / 金銀出入 / 相対済令 / 支払い猶予令 |
研究概要 |
(1)仙台藩の金銀出入取捌仕法は、元禄ころから主として幕府相対済令との関連で次第に整備されていく。すなわち、同藩は、幕府の貞享2年(1685)7月と元禄15年(1702)=8月の両幕府相対済令の情報を江戸の町年寄奈良屋市右衛門より入手して領内に施行するとともに、前者では売懸金の訴訟を、後者では利息付の金銀貸借の訴訟を受理するなど、その整備を図った。 (2)享保・元文期に至ると、幕府享保4年(1719)11月相対済令及び同14年(1729)2月同令撤回令を、幕府法公式伝達ルートのみならず江戸の町与力からも情報を入手して領内に施行し、同藩の仕法確立を行なった。それは、幕府法をモデルとしたものであるが、内容は幕府法を完全に換骨奪胎した、驚くべき債務者(主として家臣団)優遇を特徴とするものであった。 (3)ところが、家臣団の困窮度がより深刻化した宝暦期には、利率の引下げや利息部分の相対済、さらには済金の実質的減額などを内容とする、債務者優遇をさらに強化した修正が加えられた。しかし、この修正にもかかわらず家臣団の困窮に歯止めはかからず、宝暦末期には家臣団の債務のみを対象とする支払い猶予令が発せられ、露骨な家臣団救済策が実施されるに至った。 (4)明和以降幕末までの同法の展開を特徴づけるのは、この支払い猶予令の頻発であるが、この支払い猶予令の多くは、やはり家臣団の債務のみを対象とし、庶民のそれは対象外とした。それゆえ、家臣団はほとんど借金を返済しなくてもよい状態となり、その限りにおいて、同藩金銀出入取捌仕法はその果たすべき機能を果たさず、崩壊状態に陥ったのである。
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