研究課題/領域番号 |
07630011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
有賀 健 京都大学, 経済研究所, 教授 (60159506)
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研究分担者 |
大日 康史 大阪市立大学, 経済学部, 助教授 (60223757)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | マークアップ / 価格硬直性 / 資金制約 / 企業間信用 / 景気循環 / 寡占企業り行動 / 流動性制約 |
研究概要 |
本研究では、日本における製造業のマークアップの水準と変動要因に関する実証を行った。主な研究成果は以下のとおりである。 (1)日本の製造業マークアップにはかなりはっきりした順循環性が見られる。これは、米国における同様の実証研究の結果の多くが、はっきりした景気との相関を発見できなかったり、逆順慣性を認めるのと対照的である。(論文I,II) (2)輸入競合品の価格変化は全体としてマークアップを輸入品価格変化と同方向に変化させる。但し、一部の素材系産業ではこのような効果が発見出来なかった。(論文II) (3)理論モデルの実証を行った結果,製造業のマークアップの順循環性は基本的に二つの原因により説明出来ることが解った。第一に、資金制約がもたらす、効果である。資金制約下にある企業は、企業間信用により購入する原材料の限界費用が割引率の上昇により低下し、そのため、購入原材料価格に比べて、製品価格をより低く設定する。資金制約の強弱には強い循環性があるため、不況下では資金制約により製品価格が限界費用に比べて低めになる傾向が認められる。第二に、製造企業間のプロフィット・シェアリングの影響が考えられる。投入・産出の連関の強い産業間ではマークアップ率の変動の相関が高い傾向が見られる。(論文I) (4)製造業のマークアップの変動には、このような循環変動による以外に、価格設定の硬直性によるものも大きい。特に、価格調整における下方硬直性が上方硬直性より大きいため、近年のように為替レート変動による大規模なデフレショックが起こると、長期にわたる価格やマークアップ体系が大きく影響されることが解った。(論文III)
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