研究課題/領域番号 |
07630043
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
藤原 貞雄 山口大学, 経済学部, 教授 (10034878)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 国際化 / 自動車 / 地域経済 / 海外進出 / 空洞化 / 系列取引 / 下請 / 国際分業 / 多国籍化 / 日産自動車 / 三菱自動車 / 座間 / 水島 / 海外調達 / トヨタ / ホンダ |
研究概要 |
1.地域経済レベルの空洞化とは、地域に集積した特定差庵業の空洞化によって、地域経済の弱体化が生じ、地域住民の失業の増大、地域人口の現象、地域購買力の減退等によって地域社会の衰退がもたらされる現象である。 2.総じて主要な自動車工場所在地においては、地域経済の空洞化には生じていない。これは、いまだ日本の自動車産業が十分な国際競争力を保持していることがその最大の理由である。 3.下請企業が地元に形成されていない福岡県宮田町、市下県竜王町、山口県防府中市のような地域では、親工場の動向と地域経済の連関は際編めて薄いために、親工場の動向とは関わりなく空洞化は現れてこない。 4.関東地域の完成車メーカーの工場では、部品。素材の調達は、関東全域さらに一部は東北地域から行っており、親工場と下請工場との関連は狭い地域性を帯びず、地域経済の空洞化という形態をとらない。 5.バブル崩壊以後の不況の影響と自動車企業の海外進出に起因する影響は複合的なものである。1990年代中頃の地域経済への影響は、販売不信とバブル期に拡張した新鋭設備の稼働率低下による影響の方が大きかった。多くの地域の下請企業経営者は、販売不信を克服できれが、海外進出は限界的理今日にとどまるという認識であった。つまり海外進出との関連で空洞化を重要視されたのは、1980年代の一時期にすぎなかった。 6.地域経済の反空洞化政策は、県レベルでは意識されているが、市、町レベルでは考えられていない。しかし地域経済の将来に関する不安はいずれの工場所在地でも大きいが、対処の手段を持ち得ていない。 7.自動車企業労使間では雇用維持という意識が強い。このことが地域経済空洞化の歯止めに役立っている。しかし自動車産業の競争の激烈化は、この歯止めを無効化しつつある。
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