研究課題/領域番号 |
07630064
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
内山 雅生 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (30151905)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 冀東地区農村実態調査 / 南満州鉄道株式会社調査部 / 中国農村慣行調査 / 中国華北地方 / 中華民国新民会 / 共同関係 / 旗田巍 / 共同体 |
研究概要 |
本研究の目的は、戦前期に南満州鉄道株式会社(満鉄)調査部等が実施した、中国華北地方の農村調査である『中国農村慣行調査』および『冀東地区農村実態調査』を分析し、近代中国農村社会の構造的特徴を整理し、中国革命との構造的関係を明らかにすることである。香港返還後の中国経済をめぐる情況には厳しいものがある。タイにおけるバ-ツの下落を契機としたアジア経済の激動の中で、果して「中国型社会主義」が実現できるのか、指導部の力量が問われている。本研究は今後の江沢民体制の行方を占う意味でも、「特徴ある社会主義建設」を目指す現代中国の農村社会の変動についての基礎研究として重要である。 三年間の研究期間を通して、かつて研究代表者が中国で実施した農村調査と事実関係の照合を図り、新中国における農業の集団化が、戦前期日本側調査機関による調査農村でいかに進行したか、その実態の一端を明らかにすることができた。そして、旧中国農村社会に存在した農業慣行が、解放後の新しい社会体制の中で人的結合の中軸として機能したことを、「共同体」的関係の一つである「看青」「打更」さらに「搭套」を分析対象として論証してきた。 その結果、農民の結合を中心とした華北農村の「共同体」的関係を結合紐帯とする構造的特質が、抗日運動や内戦期の共産党勢力の活動に大きく影響し、さらに解放後も農業生産力の低い華北農村社会において、農業の集団化という中国共産党の農業製作に結びつき、「人民公社」政策が推進されたと論証した。今後は現代中国で推進された「改革・開放」経済と「共同体」との関係について論及する予定である。
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