研究課題/領域番号 |
07630068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
久保 亨 信州大学, 人文学部, 教授 (10143520)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 中国経済史 / 企業経営 / 株式会社 / 合股制 / 会社法 / 企業会計 |
研究概要 |
前年度に収集した資料の分析結果を踏まえ、20世紀中国の企業経営に関する総合的な考察を行うとともに、全般的な研究文献目録を作成し、以上の内容を掲載した研究成果報告書を刊行した。考察の対象に取りあげた企業は、上海機器織布局、大生紗廠(紡績)、申新紗廠、永安紗廠、継昌隆絲廠(製糸)、永泰絲廠、美亜織綢廠(絹・人絹織物)、南洋煙草公司、大中華橡膠廠(ゴム雑貨)、亜浦耳電器、劉鴻生関連企業、天厨味精廠、永利化学、大隆機器廠、民生実業公司(汽船)など十数社にのぼり、それぞれの企業の主たる経営者についてもあわせて検討を深めた。 明らかになったことを要約して示せば、下記の通りである。 まず第1に、企業の経営形態について。当初は合股制と呼ばれる伝統的な企業経営のスタイルが支配的であり、調達できる資金の量は限られていた。その結果、多額の借入金によって経営を続け、利子負担が経営を圧迫した事例も多い。しかし有限責任の株式会社制度のメリットを十分に生かした企業も成長していた。「合股制から株式会社制へ」という趨勢が確認されるのである。 第2に、製造業分野の技術開発をめぐる姿勢について。外国の技術を積極的に導入・模倣する路線をとった経営者もいれば、技術の自主開発に執着し、その努力を積み重ねた経営者もいた。企業の自己革新の努力を惜しまなかった経営者と、そうした問題意識が希薄だった経営者という2つのタイプを分けて考える必要もある。 第3に、企業経営者の世代と出身に着目すると、伝統的な知識人の世界につながる部分が多かった第1世代、商取引もしくは金融関係の仕事から出発し、そこで得た資金や経験を基盤に近代企業設立に進んだ第2世代、相当高いレベルの近代的教育を受けてきており、中には留学生出身者も含まれた第3世代に大別できる。
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