研究概要 |
平成7年から9年度にわたって研究助成を受けた。研究の主体は不況下における管理会計制度のあり方においたが、具体的な研究は次の5つの領域にまたがっている。 第1に、研究の中心は間接費の効率化を図る手法に関してABC(活動基準原価計算)においた。日本で発表した著書『間接費の管理』とアメリカで発表した著書Integrated Cost Management (Productivity, 1996)を中心にしていくつかの研究成果(論文)がある。 第2に、情報技術に関する研究を行った。著書『パソコンソフトウエアの会計と管理』と著書『エマージング・ソフトウェア会社のファイナンス戦略』を中心にした研究成果がある。その目的は、構造的な不況下にある日本経済を再構築するには、ベンチャーを中心にした広い意味でのソフトウエア産業が大きく発展する必要があると思われるからである。 第3に、日本の財務組織をアメリカのそれと比較した研究を行った。この研究成果は税務経理協会から発表した著書(編者、最初の2章を担当)がそれである。 第4に、コストマネージメントを中心にした研究を行った。不況下の管理会計をコストマネージメントとの関係で考察した『企業会計』の論文や銀行業における管理会計を論じた『バンキング』の論文などがこれにあたる。 最後に、最終的には著書『管理会計』(同文館)と実態調査でしめくくった。実態調査については、上場企業を対象にした不況下における管理会計制度の変化を調査した。その結果、組織や文化に関係した管理会計制度には大きな変化がみられたが、技術は相当大きな変化がみられることを発見できた。これらは日本文と英文の両方で論文として発表した。
|