研究課題/領域番号 |
07640016
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
織田 孝幸 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10109415)
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研究分担者 |
中島 匠一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (90172311)
齋藤 秀司 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50153804)
森田 茂之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70011674)
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
大島 利雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50011721)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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キーワード | モジュライ空間 / 不連続群 / 球関数 / タイヒミュラー群 / 超幾何関数 |
研究概要 |
今期は球関数の研究でいくつか進展があった。(1)2次実シンプレクティク群の大きな離散系列の行列係数の計算のやり方についてめどがたった。これは大きな離散系列表現を、ある種の一般化主系列表現の商表現として実現することによって可能になる。現状では未だ結果は充分明示的とはいえないので、「計算可能な公式」を得ることを目標としたい。2次元の超幾何級数を具体的に応用する数少ない研究の一つになることを期待している。ともあれ、実際に計算を実行するのはもう少し時間がかかるが、方針ははっきりした。論文をなるたけ早くとりまとめたい。 (2)符号(2+2-)のユニタリー群の認容表現の行列係数についても、三重大の古関春隆氏との共同研究に少し進展があった。具体的にはやはりこの場合に最も易しいはずの(それでも大変であるが)ある種の一般化主系列表現の行列関数の満たすホロノミック系の計算を進めた。 もう一つの主題である、タイヒミュラー群の大きな表現の構成については、代表者の示唆によって、ミシガン州立大学のガブリエル・バーガー氏や金沢大学理学部の森下氏の組み紐群のBurau表現の還元や、種数2のタイヒミュラー群のJones表現が現れ、この方向に注目する人が現れて心強い。 代表者自身は新しい方向を探るため、京都大学の松沢淳一氏といろいろ討論を行った。低い種数の代数曲線のモヂュライ空間の研究が関連し、この部分について、いろいろ新しい問題があることを確認した。これについてはまだ実例調べの段階で「成果」にまで至らなかった。 科研費と直接は関係しないが、12月にシンガポール国立大学を2週間訪れる機会があり(日本学術振興会の援助)Shimura多様体について、概観的講義をした。準備の途中で、この「古典的」主題についても多くの問題が残されているのに気づいた。今後の研究の糧としたい。
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