研究分担者 |
小林 正典 東京工業大学, 理学部, 助手 (60234845)
辻 元 東京工業大学, 理学部, 助教授 (30172000)
石井 志保子 東京工業大学, 理学部, 助教授 (60202933)
野口 潤次郎 東京工業大学, 理学部, 教授 (20033920)
岡 睦雄 東京工業大学, 理学部, 教授 (40011697)
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研究概要 |
代表者藤田は偏極多様体の小平エネルギーの理論を偏極対数多様体,即ち射影多様体V,その上の有利因子D,豊富直線束Lの組(V,D,L)に対し一般化して考察し,森・川又理論の改良版を用いて,対数フリップ予想が成立つならば(従って例えばVの次元が3以下なら),小平エネルギーを特徴づけ双有理幾何における飯高ファイバー構造の偏極多様体版ともみなせるような自然なファイバー構造が存在することを示した。また,末端特異点をもつファノ多様体の有限性定理から,対応する次元の偏極多様体の小平エネルギーについてのスペクトル予想が出てくることも示した。他方3次元偏極多様体の随伴直線束について,very ampleとなるための十分条件の研究を行ない,異なる2点が随伴線形系で分離されるための簡単な条件を与えることに成功したが,無限に近い2点を分離するための条件を得るには技術的困難があり,最終的解決は今後の課題として残された。高次元偏極多様体の随伴線形系についての同様の問題は,分担者辻によって特異エルミート距離を用いる複素解折的手法によって研究され,代数曲面上でのReider型定理の高次元への一般化として最善と予想されるものにかなり近い結果がいくつか得られた。分担者石井は超局面特異点が重みつきblow upにより標準モデルをもつための判定法を見つけ,その応用として小平次元ゼロの超曲面特異点の標準化についてのReid-渡辺予想の反例を与えた。分担者岡は代数トーラス内の完全交叉多様体に対し射影多様体の場合のレフシェッツ型定理の一般化を与えた。分担者小林はミラー対称性に類似した諸例を研究した。
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