研究概要 |
(1)射影空間内の部分多様体に対し,母関数族を定義し,接触幾何のルジャンドル特異点論を応用し,種々の付随する特異点の標準形を求め,それを解析した.その副産物として双対曲面の標準形を求めた.空間曲線の可展開面の位相的分類を与えた.以前の論文で微分位相的分類を与えたが、そこで扱えないような非常に退化した曲線に対しても位相型なら決定できることを発見し、定式化し、証明した.すでに論文にまとめ、国際的雑誌に現在投稿中である. (2)2階の微分方程式としておもしろいクラスを作り,古くから研究されているモンジュアンペ-ル方程式に対し,解の概念を接触幾何と結び付けることにより一般化し、同次方程式の解の大域的局所的構造、特異性を解析した.その成果を論文にすでにまとめ、現在国際的雑誌に投稿中である. (3)(1),(2)の研究対象である特異点、特にア-ノルドのいみの笠はまた,ケーラー曲面の実曲面のもつ特異点としても現れる.ラグランジュ2結び目と実2結び目の関係は非常に重要であり、本研究によりえられた知見により、現在この問題を攻略中である. (4)さらに本研究中に次の研究実績を得た:ヒルベルト16問題との関係で、低次の平面三角曲線や実有理曲線のトポロジーを調べ、特に自己交差点の最大なものに変曲点が現われないことを発見した.さらにそれらの位相型に奇妙な双対性のあることを見い出し、擬直線配置の理論からそれを説明した.国際的雑誌に現在投稿中である.また、実解析的境界を持つ複素平面領域の分類の境界における局所問題を複素力学系の手法で解決した.さらに、本研究中に、サブリーマン幾何における指数写像の特異性が、微大域的(マイクログローバル)ラグランジュ・ルジャンドル特異点論(L-L特異点論)により解明できることを見抜いたことは、本研究における成果と考えられる.
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