研究概要 |
本年度研究テーマとしてとりあげたのは,多様体の大域的構造のうち,シンプレクティック構造に関連するものであった.とくに分担者の長瀬正義はこれまで続けてキテSpin^q構造に関連して,quarternionic symplectic structureの理論を展開しそれの‘量子化'について論じた.そこでは,quarternionic symplectic manifoldのツイスター空間がHessの意味で自然な量子化を持つことを主張している.さらに,投稿中の論文“Twistor spaces and the adeabatic limits of Dirac operatorsにおいては,同様にSpin^q構造を持つ多様体Mのツイスター空間Zが自然なスピン構造を持つことを示し,そのディラック作用素のη不変量について研究しその断熱極限についての具体的な公式を得ている.また、指数作用素のη不変量の断熱極限についてはL形式を用いることになる.こちらの結果も“The adiabatic limits of signature operators for Spin^q Manifolds"にまとめた.また,水谷忠良は,三上健太郎(秋田大学)のregular Poisson manifoldsのGodbillon-Vey不変量の公式に関連して,スカウテン括弧をgeneralized divergenceを用いて定義することにより,他の特性類がPoisson多様体の量だけで書き下すのは困難なことを確認した.また,Poisson cohomologyをfoliated cohomolgyと関連付けて,その位相的な意味を研究するのが興味深い問題であることを認識した.また、奥村正文は複素数空間C^qの中のn-1 CR次元CR部分多様体の誘導概接触構造が正規であるものを完全分類し、続いて複素空間形の中の極大正則接空間を持つ実部分多様体について研究した(Conference on differential geometry and applications,1995年8月,Masaryk Univ.,チェコ).
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