研究課題/領域番号 |
07640108
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 亮一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20162034)
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研究分担者 |
吉川 謙一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (20242810)
佐藤 猛 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (60252219)
向井 茂 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (80115641)
佐藤 肇 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (30011612)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 値分布論 / ディオファントス近似論 / 第2主要予想 / Ricci-flatなKahler構造 / 重みつきの等周不等式 / Beaschke多様体 / 適合複素構造 / Momge-Ampeve方程式 / Blaschke多様体 / Monge-Ampere方程式 / 正則曲線 / Diophantine approximation / 分岐個数関数 / 対数微分の補題 / Rothの定理 / 接近関数 / ジェット微分 |
研究概要 |
幾何学の複数の分野が関連する問題を考察して、次のような成果があった。 1.値分布論とディオファントス近似論を統一する幾何学の探究では、値分布論的関数の間の関数等式をディオファントス近似論にけるSpecZ方向の微分の「定義式」と見るという着想を得た。この着想を正当化する過程で、アーベル多様体への正則曲線に対する第二主要予想が解けた。 2. Riemann対称空間の接束にRicci-flatなKahler構造を入れる問題では次のような進展があった。(1)Ricci-flat Kahler構造を規定する極大トーラス上の微分方程式を記述できた。(2)階数が2以上の対称空間から出発すると、一様でないSobolev定数をもつような完備Kahler多様体上の解析が必要になることを見過ごしていことがわかった。ここからくる解析的困難は、重みつきの等周不等式を定式化しそれを応用することで克服されることがわかった。 3. 2の研究に関連してBlaschke予想について考察した。この問題は、閉測地腺の条件にかくれた対称性をとりもどす問題である。得られた知見は以下のようである。(1)Blaschke多様体は複素化可能、すなわち接束に大域的な適合複素構造が存在する。(2)複素化されたBlaschke多様体は、無限遠における因子として有理等質代数多様体をつけくわえてコンパクト化可能である。(3)複素化されたBlaschke多様体は、Ricci-flat Kahler構造を許容し、無限遠因子上には標準的なKahler-Einstein計量が存在する。(4)無限遠因子のKillingベクトル場は、Ricci-flat Kahler構造と等質Monge-Ampere方程式を介してBlaschke多様体のKillingベクトル場に遠隔的に伝幡する。 4.研究2に現われた等周不等式に関連して、Ricci曲率が正の完備Riemann多様体における極小カレントの存在についての研究を行い、次の消滅定理を得た:体積の増大度が線形よりも真に大きいη-次元完備Riemann多様体の(η-1)-次ホモロジーは消える。この消滅定理を示すには、ある非コンパクトRiemann多様体におけるホモロジー類の極小カレントによる表現可能定理を示す必要があった。 現在、これらの知見をまとめる作業と新しい問題の考察を平行して行なっている。
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