研究分担者 |
西尾 昌治 大阪市立大学, 理学部, 講師 (90228156)
河田 成人 大阪市立大学, 理学部, 講師 (50195103)
大嶋 秀明 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (70047372)
枡田 幹也 大阪市立大学, 理学部, 教授 (00143371)
河内 明夫 大阪市立大学, 理学部, 教授 (00112524)
|
研究概要 |
1980年代の中頃から終わりにかけて,JonesやWittenらによって,コンパクトLie群に付随した3次元多様体の量子不変量が定義された.これはAtiyahらによって,(2^+1)次元位相的場の理論の枠組みで捉えられようとしており,理論物理との関係が注目されている.しかしながら,その定義があまりに抽象的すぎて実際の計算に適さない.本研究の目的は具体的にLiE群や3次元多様体が与えられたときの量子不変量を具体的に計算する方法をみつけだして実際に行なうことにより,量子不変量の位相的な性質を解明することにあった.特に,SU(2)に付随した量子不変量は,3次元多様体の枠付き絡み目表示を使って計算できる.これに関して具体的な計算機実験をパソコンの数式処理ソフトにより行ない,現在も進行中である. これと並行してVassilievによって始められた結び目の位相不変量であるVassiliev不変量の研究を行った.実際,量子不変量はVassiliev不変量として捉えることもできる.最近では3次元多様体の不変量として捉えることもできる.最近では3次元多様体の不変量としても拡張されている.HOMFLY多項式がVassiliev不変量においてどれくらい寄与するか,すなわち,いわゆるHOMFLY次元に関する研究を行った.さらに,位数5以下の結び目のVassiliev不変量の基底をConway多項式,HOMFLY多項式,Kauffman多項式を使って具体的に求めた.さらに,空間グラフであるテ-タ(θ)曲線の位数3のVassiliev不変量の基底を与えた.これについては,4項関係式の他に,グラフであることから,3項関係式がでてくるが,結局は,θ曲線に一意的に対応する3成分からなる絡み目の多項式不変量を用いてVassiliev不変量の基底が得られた.この際にも,パソコンを大いに活用した.
|