研究概要 |
時空構造(ここでは,4次元計量構造と,一般次元計量構造に分ける)とツイスター理論の関係,性質について,研究できたことと,これからの課題について列挙する。 1.4次元のツイスター理論 (1)Lorentz計量に関して:ヌル方向束の概複素構造の積分可能性を,Lorentz計量の曲率の関係式で特徴づけた。ツイスター空間としての5次元のヌル測地線の空間のCR構造との関係,特に半平坦性についてもっと調べたい。 (2)(22)型計量に関して:BianchiIX型とVIII型の比較により,(40)型の自己双対性から,(22)型の自己双対性を対応させ,大域的構成を行なった。全ヌル平面束の2次元ト-トロジカル分布の完全積分可能性が特徴づけられ,3次元のツイスター空間が構成できた。逆に,ツイスター空間にEinstein-Weyl構造が付加されれば,4次元の測地線の空間に(22)型の自己双対な計量が構成できることを示すことができた。 2.一般次元のツイスター理論 (1)平坦な複素計量に関して:ツイスター空間上の関数をPenrose変換して,複素Laplace方程式の解の積分表示ができる。特に基本解を,グラフ理論の樹木に付随した微分形式を構成して積分表示させることができた。 (2)(n,2)型Grassmann構造に関して:ヌル平面束のn次元ト-トロジカル分布の完全積分可能性が半平坦性の概念で特徴づけられ,ntl次元のツイスター空間が構成できた。逆に,ツイスター空間にEinstein-Weyl構造が付加されれば,2n次元の測地線の空間に(n,2)型 Grassmann構造が定義できるこを示すことができた。
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