研究概要 |
2つのエネルギーレヴェルをもつ原子と量子化された電磁場の相互作用を記述するスピン-ボソンモデルのハミルトニアンの解析をおこない次の事柄を明らかにした。(i)基底状態の存在(これは結合定数の大きさによらない)(ii)基底状態の縮退度の評価、方法は構成的場の量子論の方法をいまの場合のモデルに適用することとmin-max原理である。 このモデルの一般化も考察し,同様の結果が得られることがわかった。スピン-ボソンモデルの研究とは別の研究として、2次元量子系における正準交換関係の表現と量子群U_q(sl_2)の表現との関連を発見した。複素ベクトルポテンシャルがWeierstrassのζ-関数であたえられるような磁場が存在するとき、位置作用素と物理的運動量作用素がみたす正準交換関係の表現から,量子平面のヒルベルト空間表現が得られる。後者はU_q(sl_2)の無限次元ヒルベルト空間表現を導く,また,ボソン-フェルミオンフォック空間上の第2量子化作用素がディラック型の作用素の2乗で書ける条件を考察した。
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