研究分担者 |
佐藤 得志 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00261545)
堀畑 和弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10229239)
藤家 雪朗 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00238536)
増田 久弥 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10090523)
加藤 順二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80004290)
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研究概要 |
研究代表者は主に冪型非線型項をもつ半線型楕円型偏微分方程式を研究した.ユークリッド空間の有界領域においてイノマン境界条件下でいくつかの点のまわりに分布が集中するような特異摂動解について考察し,解の漸近形を領域の境界の平均曲率などの幾何学的量と結びつけて記述した.また,同じ方程式を超曲面上で考察した場合の最小エネルギー解が最大値を達成する点がスカラー曲率を最大ならしめる点の近傍にあることを示し,その漸近形を求めた.更に,これらの結果を生物の形態結成のモデルとして提唱された活性因子-抑制因子型の反応拡散方程式の定常解の構成に応用するとともに,定常解の安定性について調べた.準線型楕円型偏微分方程式の問題として,表面積及び囲む領域の体積が一定という制約条件の下で平均曲率の平方積分を極小にする閉曲面があり,これは生物学ではリポソームの形態のモデルとして重要である.そのような曲面の族が球面から分岐する様子を調べた.一方,増田久弥は生態系の動きを記述するモデルであるロトカ-ヴォルテラ型の反応拡散系を研究し,その周期解の存在を示した.加藤順二は遅れをもつ常微分方程式の解について大域的性質を調べた.藤家雪朗はシュレディンガー方程式の散乱行列の極の分布の準古典的解析を行った.以上は特異性を有しない解の研究であるが,特異性をもつ(もち得る)解については,堀畑和弘と佐藤得志が研究した.堀畑はミンコフスキー空間上の球面に値をとる調和写像の弱解の部分的正則性の研究をエネルギー密度の単調性を用いる方法で行った.佐藤は半線型楕円型方程式の特異性をもった解の集合の大域的性質を調べるため解集合の特異点の構造を研究した.
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