研究課題/領域番号 |
07640158
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
新井 仁之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10175953)
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研究分担者 |
板東 重稔 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40165064)
斉藤 和之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60004397)
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
西川 青季 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004488)
猪狩 惺 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50004289)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 退化楕円型偏微分作用素 / 調和測度 / カ-ルソン測度 / Morrey空間 / CR多様体 / 接コ-シ-・リーマン方程式 / Hardy空間 / 拡散過程 |
研究概要 |
本科学研究費の補助によって下記のような研究実績をあげることができた。 1.研究代表者である新井は境界を持つリーマン多様体の境界で退化する楕円微分方程式の調和解析的研究を行い、その調和測度と調和関数の境界挙動を解明した。退化の仕方により調和測度の境界挙動が大きく変化するという奇妙な現象を発見し、それを定量的に評価することができた。また、その応用として、種々の関数空間やカ-ルソン測度に関する結果を得た。そしてヴォイタシュチ-ク・ミュラーの問題を一般化した形で肯定的に解決した。詳しくは裏面の新井の発表論文に書かれてある。 2.以上の他、新井はnilpotentリー群上の退化楕円型疑微分方程式の解のMorrey-Holder評価を証明した。この結果はL^p-Holder評価をより精密にしたものである。新井の結果はしたがって古典的な楕円型疑微分方程式の解のL^p-Holder評価をリー群上の退化楕円型疑微分方程式に拡張したものと見ることができる。応用として多変数複素解析に現れる強擬凸CR多様体上の接Cauchy-Rimann方程式の解の精密な評価も得ることができた。この結果は現在論文を投稿中である。 3.分担者はそれぞれ次のような成果を得た。西川は負曲率等質空間上の調和写像の無限遠境界値問題を解くことに成功した。これは本研究にとって大きな進展であった。高木は活性因子一抑制因子の反応拡散方程式について多くの結果を得た。猪狩は掛谷の極大関数に関する調和解析の古典的問題の部分的解答を証明した。この問題は、もし完全に解ければ固有関数展開に大きな貢献が可能となるものである。斎藤の作用素環を使って得た結果、藤家の偏微分方程式的手法を用いた研究、板東の安定正則ベクトル束のEinstein-Hermitian metricsの退化の研究も本研究に寄与した。 以上のように研究成果は期待以上に満足できるものであった。
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