研究概要 |
1.関数系(system)の理論を援用しての,holomorphic curve等に関する研究に於いて,従来の定数係数に対して,関数係数の場合のsystemへの拡張を昨年に引続いて,N.Todaの「On some asymptotic properties of systems of entire functions of smooth growth (J. Math. Soc. Japan 35,1,1983)」の中の漸近値の性質に関する定理4(昨年は定理5)も関数係数のsyustemの場合に拡張されることが分かり,更に,Wimanの定理のA. encies of entire curves of finite lower order, Ukraivian Math. J., 31.No.3, 210-214(1980)」を,関数係数の関数系へ拡張すべく,現在研究中である。 (代表者 加藤) 2.分担者の立川は,変分法と時間離散化スキームを組み合わせた方法(離散的勾配流の方法)によって,双曲型偏微分方程式(∂^2u)/(∂t^2)=(J-(u)のEuler-Lagrange方程式)(但しFは変分汎関数)の解の構成及びその漸近挙動について研究し,東北大学 長澤壮之氏と共同で強ダンピング項を持った非線形双曲型偏微分方程式系の弱解を構成し,その弱解が指数減衰することを示した。 3.分担者の小野は,静岡大学の共通教育科目の中でも,学際的なカリキュラムとして,(主として.3,4年次に開講)優れた実績を持つ綜合科目において,「形を考える」を担当(数人で分担)する機会を得て,「折り紙」についてまとめてみた.まず,歴史的な事実を概観した後,創作折り紙の現状及び折り紙の幾何学的側面を考察し,ユークリッド幾何の作図では不可能な角の三等分が折り紙の手法では可能となる事等,興味ある視点が多々ある.
|