研究分担者 |
大山 淑之 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (80223981)
岩下 弘一 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (30193741)
足立 俊明 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60191855)
山本 和広 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (30091515)
戸田 暢茂 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (30004295)
|
研究概要 |
本研究の目指すところは理想境界の一般理論の構成にあるが,当面の課題として,本年度の研究目的とした,空間の固有境界及びその上の各種の調和構造が事実に指定した理想境界とどの様に係わるかを明らかにする問題に於て,特に理想境界としてロイデン境界及びマルチン境界を取った場合に以下に述べるような成果を得た.n次元(n≧2)ユークリッド空問R^n内の領域Mのロイデン調和境界Δ_p(M)(1<p<∞)の連結性が,M上非定数のpディリクレ積分有限な指数pのA調和測度が存在しないと言うコンデンサー問題の解決と同等となることを示した.Mが有界で相対境界∂Mが連結ならどの程度Δ_p(M)の連結性が出るかについて基本定理,B^nをR^nの単位球とするときΔ_p(B^n)は1<p<2なら非連結2≦p<∞なら連結,を得ていたが,これをMがC^2級の∂Mを持つ場合,更に一般にMがリプシッソ領域の場合に拡張した.特にMが連続領域ならばΔ_p(M)(2≦p<∞)が連結となると言うほぼ最終的と思える結果を得た.他方R^nの領域M上に,ポテンシャルをラドン測度μに持つシュレ-ディンガー方程式(-Δ+μ)u=0を考えるとき,この解空間がブルロ-空間を作るための条件をカト-族の立場から考察した.それを応用してμの孤立特異点の上にマルチン極小境界点が唯一点乗ると言うピカ-ル原理の成立条件をを調べ,各種の十分条件を得たが,特にn=2の場合μ≦0ならば無条件にピカ-ル原理が成立することを発見し,又n≧3でも孤立特異点の周りでμが回転不変ならμ≦0ならばやはりピカ-ル原理が成立することを示し,一般のn≧2の場合への量子力学や原子炉工学の立場からみても興味があると思われる問題提起を行った.
|