研究課題/領域番号 |
07640264
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
松本 和一郎 龍谷大学, 理工学部, 教授 (40093314)
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研究分担者 |
山岸 義和 龍谷大学, 理工学部, 助手 (40247820)
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (10192783)
岡 宏枝 (國村 宏枝) 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (20215221)
四ツ谷 晶二 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60128361)
池田 勉 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50151296)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 数式処理実験 / Schrodinger型方程式 / 強双曲系 / 経路積分 / 超準解析 / カオス的アトラクター / Durand-Kerner法 / 力学系のエルゴ-ト性 |
研究概要 |
研究専用のワークステーションの購入は継続的に長時間の数式処理実験を可能とし,多くの成果を生みだした. その第1はSchrodinger型方程式の可解性の必要十分条件を予想するための実験である.従来から知られている必要条件(L^2の場合は溝畑条件,H^∞の場合は一ノ瀬条件)が複素ポテンシャルの虚部の小さな摂動に極めて不安定であることを示す多くの例を構成できた.特に上記必要条件はなんらかの対称性のないポテンシャルでは極めて満たされにくいことが分かった.残念ながら必要十分条件の予想を提出できるには到っていない. 第2はSchrodinger型ではなく,1階双曲系の強双曲条件についてである.Petrovskiが60年前に提出した定係数で主要部が対角化可能にもかかわらず強双曲でない系の列がt^2の項による小さな摂動で強双曲系に変化することが分かった.しかし摂動の与え方によっては非強双曲にとどまることもあり,強双曲性の必要十分条件を与えることにはまだ成功していない.こちらはあと1年くらいで最終結果を得られるとの感触を持っている. ワークステーションを離れた研究ではSchrodinger方程式の解の経路積分表示について力をそそいだ.超準解析の世界でDirac方程式の光速無限大の極限として関数空間上の測度を用いた経路積分として表示するこの公式の証明において,素朴な直感と唯一折り合わない無限大の光速で広がる経路のあたりの寄与は無視できることの合理的直感的証明を試みているが成功していない. 一方,軌道の研究では岡があるタイプの局所的分岐でLorentz型のカオス的アトラクタが生じることを示した.また山岸は力学系のエルゴ-ト性を示すことを通じてDurand-Kerner法の収束の速さの評価に成功した. 池田,四ツ谷は非線形方程式のかいの安定性に成果を得た. 平成8年2月に当研究補助によるせいかの報告会を開けたことは有意義であった.ワークステイションを用いた数式処理実験の成果は続く平成8年度におおいに期待される.そのために先に申請したように補助金の1年間の交付延長が認められれば幸いである.
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