研究分担者 |
望月 望 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00005761)
大野 芳希 東北大学, 工学部・生物科学工学科, 助教授 (80005777)
内山 明人 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (90124552)
内田 興二 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20004294)
石毛 和弘 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (90272020)
|
研究概要 |
(1)岡田は小澤と共に分岐のある非線形LC回路を伝播する電位によって表される格子リリトン波が,分岐点においてどのようにふるまうのか数値実験によって示した。振幅の小さい場合は非線形性が弱いので線形波動方程式の場合に得られている理論解にほぼ一致することがわかった。振幅が大きい場合は非線形回路では分岐点中心にして局在振動が励起され,安定であるように見える。線形の回路では,それは急減衰することがわかった。この局在振動の存在は差分ラプラシアンの点スペクトルの存在に対応しているが,連続変数ラプラシアンと離散変数ラプラシアンの差違が明らかになったことは興味ある事だと考えられる。局在振動の安定性など残された問題も考察したが,まだ研究途中である。他に,雑音の影響についていくらかの知見が得らつつある。 (2)石毛は多孔質媒質における拡散モデルである非線形熱方程式の初期値問題が解けるための一つの十分条件を与えた。それは拡散係数がどの程度まで増大してもよいか,についてシャープな条件になっている。方法は積分に対してくわしい不等式を証明することによっている。 (3)内山は2進面積関数を最大関数に関するウェイトつきの精密な不等式を証明した。これはウィルソン予想の部分的解決になっている。 (4)大野と浦川はグラフ上の差分ラプラシアンの最小固有値の評価を,さまざまな幾何的モデルにおいて調べた。これは(1)岡田の研究における点スペクトルの研究にも関連した研究である。 (5)内田は拡大体の正則表現の方法を用いると,符号理論に見通しがよくなることを示した。即ち与えられた有限体上の符号が検査記号を同時に作れ,しかも自己双対性も保存される。 (6)望月は実半空間に於けるフレット-クランの定理を複素半空間上に拡張した。
|