研究分担者 |
田村 博志 金沢大学, 理学部, 講師 (80188440)
林田 和也 金沢大学, 理学部, 教授 (70023588)
藤本 坦孝 金沢大学, 理学部, 教授 (60023595)
一瀬 孝 金沢大学, 理学部, 教授 (20024044)
中尾 愼太郎 金沢大学, 理学部, 教授 (90030783)
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研究概要 |
'91年に重川氏は,概複素構造をもつ抽象ウィナー空間・その空間上の正則関数というのを導入した.彼は,一般の無限次元空間を念頭においているが,これは,特殊な場合として有限次元数空間C^n及びC^n上の正則空間を含んでいることは云うまでもない. 我々は,正則関数がinduceする確率分布の絶対連続性,そのとき(即ち,絶対連続であるとき)の密度関数の滑らかさ,及び,それがパラメータεに依存しているとき,ε↓0の漸近挙動等を調べることが研究の目的であった. この1年間の研究で得られたことを,提起した問題に比べて少ないが,以下で述べる: (B,H,μ,J)を概複素抽象ウィナー空間とし,F=(F_1,…,F_m)をB上のC^m値正則関数(正確にはL^p-正則関数)とする.このときFの階数rank Fなるものが定義でき(これは,Bが有限次元のときは,通常のものと一致する),FをFのスケルトンとしたときrankF=rankFとなる.FのinduceするC^m上の確率分布μ。F^<-1>の絶対連続性について次のことがわかった: “rankF=m⇒μ。F^-は絶対連続". 実は,逆の主張“μ。F^<-1>が絶対連続⇒rankF=m"が成り立つものと予想しているのだが,現在のところ完全な証明を与えるに到っていない. 上述した他の事柄についても,未だ手つかずの状態であり,これらは今後の問題として取り組んでいくつもりである.
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