研究概要 |
μ=f(x)dxを一次元分布とし,λ=【cross product】^^∞μをμの無限直積測度とする。a=(a_n)∈IR^∞に対してν(a)=【cross product】^^∞{(δa_n+δ-a_n)/2}とおく。{ε_n}を独立なRademacher列とするとき,(a_nε_n)^∞_<n=1>上のIR^∞上の分布がν(a)である。本研究においてλ*ν(a)とλ*ν(b)の絶対連続性について研究を行った。角谷の定理によればλ*ν(a)〜λ*ν(b)[絶対連続]なる必要かつ十分条件はΣ^^∞__<n=1>∫|√<(f(x+a_n)+f(x-a_n))/2>-√<(f(x+b_n)+f(x-b_n))/2>|^2dx<+∞である。この無限級数の収束・発散について,研究計画に従い分担者がそれぞれ研究に協力し,以下の結果を得た。 定理1.λ*ν(a)〜λ*ν(b)⇒(|a_n|-|b_n|)∈C_o. 定理2.a∈l_∞とするとき,λ*ν(a)〜λ*ν(b)⇒Σ^^∞__<n=1>(a^2_n-b^2_n)^2<+∞. a_n→∞(n→∞)のとき,λ*ν(a)〜λ*ν(b)⇒Σ^^∞__<n=1>(a_n-b_n)^2<+∞. 定理3.∫((f″)^2)/fdx<+∞のとき,Σ^^∞__<n=1>(a^^2__n-b^^2__n)^2<∞⇒λ*ν(a)〜λ*ν(b). 定理4.Σ^^∞__<n=1>(a^^2__n-b^^2__n)^2<+∞なる任意のa,b,∈IR^∞についてλ*ν(a)〜λ*ν(b)⇒∫((f″)^2)/fdx<+∞. これらの結果は平行移動に関するL.A.Sheppの結果と極めて類似している。ただし本研究のランダム平行移動による絶対連続性は,L.A.Sheppの結果がl_2理論と条件∫((f′)^2)/fdx<+∞であったのに対し,l_4理論であり条件∫((f″)^2)/fdx<+∞の下に成立している。 より一般に条件∫((f^<(n)>)^2)/fdx<+∞の下での理論が存在すると予想される。今後の研究課題である。
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