研究概要 |
本研究では,Herbig Ae/Be星のほか,同じく星周ダストによって偏光を示す新星などについても研究を行った. Herbig Ae/Be星については,第1に,明るさの大きな変化を示す星については,そのときの明るさ,色,偏光度,偏光角の各変化を詳しく調べ,その減光メカニズムについて詳しく検討し,星周辺ダスト・モデルの立場から統一的な説明を試みている.現段階では,RR TauとCQ Tauについて多色偏光測定観測の稠密なデータが得られ,後者については結果をまとめ,星周ダストの性質(種類,サイズ分布,密度分布等),減光メカニズムの詳細について考察した[論文1].第2に,変光にほぼ確実な周期性がみられるV628 Casについて多色測光偏光観測を詳しく行った.まだ全周期の2/3程度をカバーした段階で,詳しい解析は行っていないが,測光,偏光とも周期的変動の傾向はみられるが,不規則変動の影響も大きく,最終的に判断するには,今後のデータを待つ必要がある.このほか,堂平の偏光分光測光器によっても数個のHerbig Ae/Be星のデータを取得し,偏光分光測光器の調整も兼ねてIRAFによって解析を行っている. 新星については,Nova Cas 1993の多色偏光測光観測の結果をまとめ,爆発初期における星周ダストの形成と成長について論じた[論文2, 3].さらに,偏光分光測光器によって今年度に出現したNova Cas 1995のデータも取得した.
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