研究概要 |
本格的な多粒子相関測定の為の準備作業とパイオンの準弾性散乱による核内の短距離相関測定を並行して行った。 ・収集したデータを高速に転送するための専用の回路を開発したワイヤー、ADC,TDCのデータをCAMACを介さずにVME上のバッファーメモリーに直接転送する回路を開発した。すでにワイヤーからのデータを転送する回路は製品化に成功し、4MByteの速度でデータが転送できるようになった。IEEEの国際会議でも報告し、現在TDC,ADCからのデータを転送する回路も開発中である。 ・測定器制御を自動化シンチレーター及びワイヤーチェンバーの電圧を遠方よりワークステーションで常時制御、モニターする装置を制作し実験に供した。 プログラマブルトリガー回路の開発 これまでトリガー回路には検出器のそばに置いてあるNIM回路100台程度が使用され、一次ビームによる実験ではその調整が最大のネックとなっていた。本格的な装置用にこれをFPGAを用いたプログラマブルなものに変更すべく開発を行い、目処をつけた。 ・パイオン準弾性散乱測定上記の本格的な装置の開発と並行してKEKでのパイオンビームを用いて6Li,12C,40Ca,90Zr,208Pb原子核で準弾性散乱の測定をおこなった。核のレスポンス関数とそこに内在する短距離相関を目的でおこなったこの実験は本年2月に無事終了し現在データ整理中である。入射粒子が核子の場合と異なりメソンの場合は核内核子との反応称化が不要なので結果が注目される。
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