研究課題/領域番号 |
07640405
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 透 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10135650)
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研究分担者 |
若松 正志 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40135653)
大坪 久夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30029491)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 電子散乱 / バリオン共鳴 / 中間子光発生 / デルタ共鳴 |
研究概要 |
本研究ではGeV領域電子線における核子共鳴の研究を行なった。核子共鳴は核子-中間子散乱、中間子光発生反応により研究がなされてきた。これら共鳴粒子は中間子-核子の散乱状態にあり、また非共鳴過程が重要な寄与をあたえるため、共鳴粒子の構造を調べるには、中間子-核子の散乱および中間子発生機構の統一的な記述に基づいた研究が必要となる。 本研究では近年注目されているデルタ粒子の電磁構造とくにE2/M1比の研究を行なった。中間子、核子、共鳴粒子のハドロンの自由度を用いた、中間子散乱及び電磁過程を統一的に記述するために、原子核における核力、交換電流の問題に対して我々が提唱した、ユニタリ変換の方法を、素過程に拡張した。この定式化を用いてデルタ共鳴領域における、パイ中間子-核子散乱、パイ中間子光発生反応に対する、非共鳴過程及びデルタ共鳴過程を含む、模型を構築した。この模型はデルタ共鳴領域におけるパイ-核子散乱をよく説明する。これによりE2/M1比に敏感な物理量である偏極光子を用いたパイ中間子光発生反応を中心に研究を行なった。その結果デルタ粒子の電磁崩壊においては、従来の多重極振幅を用いた現象論的解析では、分離することはできない、非共鳴過程が重要な寄与を与えることが分かり、得られたデルタの電磁崩壊の主要項であるM1遷移振幅はクォーク模型の予言とほぼ一致する中値であった。またE2/M1比としてE2/M1=(0.02±1.3)%を得た。この結果はデルタの構造、D波成分に関する需要な情報を与えると考えられる。 またこの研究の応用としてエータ中間子発生反応の研究が進行中である。閾値近傍のエータ中間子発生反応はN^* (1535)が主要な寄与をなしN^*共鳴の構造に関する新たな知見が得られると期待される。
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