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一次元炭素結晶カーボライトの結晶構造と電子状態

研究課題

研究課題/領域番号 07640435
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
研究機関筑波大学

研究代表者

中尾 憲司  筑波大学, 物質工学系, 教授 (30011597)

研究分担者 鈴木 修吾  筑波大学, 物質工学系, 講師 (90241794)
研究期間 (年度) 1995 – 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード一次元炭素結晶 / カーボライト / カルビン / キンク構造 / 第一原理計算 / 構造最適化 / 電子状態
研究概要

新たな一次元炭素結晶カーボライトは、これまでに知られているカルビンと同様に鎖の方向に長周期構造をもつことが実験的に明らかになっている。このことは炭素鎖がキンク構造を持つことを示唆しているが、現在までにキンクを持つ一次元炭素鎖の安定構造の存在は確認されていない。
本研究の目的は、長周期をもつ一次元炭素鎖の存在条件の調査と安定構造の探索、及び電子状態の特徴を明らかにすることである。本研究における第一原理構造最適化計算の結果からは、純一次元炭素鎖はキンクを持ち得ず、直鎖上の1周期のキュムレン或いは2周期のポリインのみが安定であることが分かった。また、炭素鎖同士が結合する場合も考慮すれば、長周期構造を持つ安定構造は可能であり、キンク状の構造を取ることも分かった。これより、カルビンやカーボライトは一次元炭素鎖のネットワーク構造を取っている可能性が挙げられる。この他の可能性として、カーボライトに多量に含まれている水素に着目して、水素が付加した炭素鎖の安定構造と電子状態を調べた。その結果、水素が付加した炭素位置にキンクが生じること、キンク間の炭素数が偶数の場合には安定な構造があり非磁性半導体となること、一方キンク間の炭素数が奇数の場合には安定性は低いが反強磁性的な状態を取る構造があることが分かった。これより、特にカーボライトは水素が付加した炭素鎖の集合体である可能性が大きい。これはカーボライトの密度がカルビンと比べて小さいことと符合する。
以上が本研究の成果であるが、カーボライトに関する実験的なデータが極端に不足しており、現在の段階ではカーボライトについての最終的な構造を明確にすることはできていない。今後の良質の結晶作成と構造解析が強く望まれる。

報告書

(4件)
  • 1997 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1996 実績報告書
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] S.Suzuki: "The Electronic Structure of Kink-ed Carabon Chains" Phys.Rev.B. Vol.58(発表予定). (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] S.Suzuki: "The Electronic Structure of Kinked Carbon Chains" Phys.Rev.B. Vol.58, (to be published). (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1997 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] S.Suzuki: "A Full-Potential Local-Orbital Approach to the Density-Functional Calculations of Solids" J.Phys.Soc.Jpn. Vol.66 No.12. 3881-3886 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] S.Higai: "Electronic Structures of Potassium-Oxygen-Graphite Intercalation Compounds" Phys.Rev.B. Vol.57 No.12(印刷中). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] S.Suzuki: "First-Principle Study of the Electronic Structure of NaxHyC_<60>" Phys.Rev.Lett.(発表予定). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] S.Suzuki: "The Electronic Structure of Kinked Carbon Chains" Phys.Rev.B. (発表予定). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] S.Higai: "Electronic Structures of Potassium-Oxygen-Graphite Ternary Intercalation Compounds" J.Phys.Chem.Solids. Vol.57 Nos.6-8. 689-694 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] S.Higai: "Electronic Structures and Charge Transfer Mechonism of Bromine-Graphite Intercalation Compound" J.Phys.Chem.Solids. (発表予定). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] S.Suzuki: "Electronic Structure Calculations of(AB_4)_3C_<60>" Proc.on IUMRS-ICA-97. (発表予定). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] S.Suzuki: "Electron-electron and electron-phonon interactions in alkali-metal-doped C_<60>" Phys. Rev. B. 52. 14206-14218 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] S.Suzuki: "Intramoleeular negative-U effect in the alkali-metal doped C_<60> : A_2C_<60> and A_4C_<60>" Fullerene Science & Technology. 3. 11-20 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] T. Nakamine: "Band gaps of Na_2C_<60> and K_4C_<60>" Fullerene Science & Technology. 3. 389-398 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] M.Fujita: "Stable structures and Electronic Properties of C_<70> and Seven Isomers of C_<80>" Synthetic Metals. 70. 1509-1510 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] S.Suzuki: "Breakdown of the rigid-band picture in alkali-metal-doped C_<60>:A_2C_<60> and A_4C_<60>" Synthetic Metals. 70. 1527-1528 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] S.Mizuno: "Electronic states of graphitic heterocompounds of carbon,boron and nitrogen" Synthetic Metals. 71. 1869-1870 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2020-05-15  

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