研究概要 |
次の項目を実施した。 (1)衝撃力発生装置の製作(平成7年6-10月期) 梃子の原理を応用したメカニカルなハンマーを自作した。撃力の大きさを正確に測定することはきなかったが、最大の撃力をNaClのようなイオン結晶に印加するとサンプルを粉砕することができた。 (2)試料の育成(平成7年6月-平成8年3月期) 当研究室で既に所有しているサンプル(GaAs,AgBr,KClなど)以外に、NaCl,KI等の結晶をカイロポーラス法を用いて育成した。また、これらのイオン結晶を水溶液から蒸発法により育成した。 (3)オプティカル・マルチチャンネル・ディテクション(OMD)システムの構築(平成7年11月-平成8年2月期) 浜松ホトニクス社からFFT-CCDマルチチャンネル検出器ヘッドを購入し、それを既存の分光器に接続してOMDシステムとした。システムは同時に購入したPMAコントローラC5967-02型で制御し、得られた発光スペクトルを解析するためのソフトウエアーを開発した。 (4)ショック・ルミネッセンス(SL)の観測(平成7年12月-平成8年3月期) 予備実験として、NaCl結晶を対象にSLの観測を試みた。微弱ながらSLと思われるシグナルを観測することができた。しかし、シグナル強度を上げるため、印加する撃力を大きくするとサンプルが割れるなどのトラブルのため、再現性の良いデータを得るのが難しいことがわかった。この点を改善するため、ディスロケーションの少ない高品位のサンプルの育成・入手と光検出器の感度向上が当面の課題である。
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