研究課題/領域番号 |
07640486
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
二木 治雄 琉球大学, 理学部, 教授 (80145549)
|
研究分担者 |
仲間 隆男 琉球大学, 理学部, 講師 (80264472)
矢ケ崎 克馬 (矢ヶ崎 克馬) 琉球大学, 理学部, 教授 (70045037)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 反強磁性体 / 核磁気共鳴(NMR) / 核四重極共鳴(NQR) / スピン-格子緩和時間 / スピン-スピン緩和時間 |
研究概要 |
酸化物高温超伝導体の磁気秩序を研究するために試料としてYBa_2Cu_3O_<6+x>(YBCO)を選び,主に反強磁性相についてYBCOの酸素濃度を変えた試料(x=0.07,0.11,0.17)を作製して研究を行った。各試料に水素を少量ドープしたYBa_2Cu_3O_<6+x>H_yを作製し、その水素をプローブとしたプロトンNMRとCuサイトのCu NQRを行った。 1.Cu(1)サイトの^<63>Cu NQRから、 (1)低温領域で、結晶内部に揺動磁場が存在し、その揺動磁場の影響で、T_1^<-1>は40K付近、T_2^<-1>は20K付近でそれぞれ極大を示し、酸素濃度が増加するにつれて極大値が増大することを明らかにした。 (2)これは酸素濃度、すなわちホール濃度が増加するにつれて反強磁性の磁気秩序に乱れが生じ、その乱れたCu^<2+>モーメント(staggeredなCu^<2+>モーメント)がホール濃度増加に伴って増加するためと考えられる。この結果は中性子回折の実験結果をとも一致する。 2.約20K以下でプロトンNMRの線幅の増大が観測された。これは、上述の乱れたCu^<2+>モーメントによる揺動が低温で凍結されために生じたと考えられるが、その酸素濃度依存性はCu(1)NQRの酸素濃度依存性と異なる傾向を示した。この点については今後検討を要する課題であると考える。 3.高温側での緩和機構は複雑で、現在まだどのような緩和機構が主に効いているかを明らかにすることは出来なかった。これらを明らかにするためには、高温領域での緩和機構の酸素濃度依存性を測定する必要がある。 4.T_1やフーリェ変換NMRの測定には、今回購入したデジタルオシロスコープを使用し、コンピュータによる自動化測定を行った。これによってT_1測定やフーリェ変換NMR測定の簡易化と精密化を可能にした。
|