研究課題/領域番号 |
07640518
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
岡部 豊 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (60125515)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 有限サイズスケーリング / イジングモデル / 秩序形成ダイナミクス / 交換モンテカルロ法 / ずり流動場 / Kawasakiダイナミクス / モンテカルロ法 / 秩序形成 / ポッツモデル / ランダム磁場 |
研究概要 |
ランダムネスが相転移や臨界現象に及ぼす効果は興味ある研究対象で、本研究の目的は、大規模なモンテカルロシミュレーションにより、量子・ランダムスピン系に関する精度の高い情報を得ると同時に、理論解析をおし進めることにあった。2年間にいくつかの問題を扱ったが、主な3つの成果に絞って報告する。 第1に、ユニバーサル有限サイズスケーリングという問題を取り扱い、その存在を2次元イジングモデルの場合に示すと共に、境界条件依存性を考察した。特に、格子の縦横比とゆがんだ(tilted)周期境界条件の場合の有限サイズスケーリングの関係を調べ、ある縦横比とtilt比をもつ格子と他の異なる縦横比とtilt比をもつ格子の有限サイズスケーリングの関数が同形になることを見出した。 第2に、3成分保存系の秩序形成過程の研究に、交換モンテカルロ法を適用することを試みた。通常の方法では深く急冷した場合にはダイナミクスが非常に遅くなり、成長の後期過程における法則の解析がむずかしくなるが、交換モンテカルロ法を適用すると速いドメイン成長を得て、ドメインの特徴的な長さの成長則が1/3乗則に従うことを見出した。 第3に、ずり流動場中の相分離の問題をスピンモデルで取扱う新しいシミュレーション手法を開発した。この手法は非常に高速であるばかりでなく、ミクロなモデルに基づいている、従来の方法では調べられない熱ゆらぎ効果を調べられる、など数多くの利点がある。さらに、ずりによる構造因子の異方的な時間変化を解析する有効な手法を開発し、その有効性を確かめた。
|