研究課題/領域番号 |
07640582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 富山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
田島 俊彦 富山工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (20027353)
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研究分担者 |
川平 浩二 富山工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (30025457)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ラグランジュ軌道 / 回転円筒水槽実験 / 定常傾圧波 / カオス / 大気大循環 / 大気力学 |
研究概要 |
ここ数十年の間に、対流のラグランジュ運動の研究は、流体力学特に気象学や海洋学において基本的に重要であることが確認されてきた。しかし、現在まで実験室でそれを研究しようとする試みは少ない。大気力学に関して、大気大循環を実験室で再現する回転円筒水槽実験において定常傾圧波の流体粒子のラグランジュ運動の実験的観測を行った。暗室で螢光物質の微粒子に紫外線を当て、我々が独自に開発した回転二重円盤実験台の観測用円盤を1個の微粒子を追って回転させる事により微粒子を含む水平・垂直断面をビデオカメラで記録する方法で3次元的追跡を可能にした。この研究で科学研究費補助金を受けた1年目(平成7年度)には、水中に長時間浮遊する粒子の製作方法を確立し、すでに延べ10時間以上の浮遊粒子の追跡に成功した。実験結果は物理学会、気象学会、流体力学会、可視化情報学会で報告され、又論文としても近々発表される。この実験結果の一部は、菅田・余田による数値計算結果に近いが、信頼できる結論を出すにはまだ観測時間が不足している。特に一回の実験で10時間以上の連続追跡が必要であることが分かった。新しい発見としては、波数の異なる定常傾圧波の観測からラグランジュ運動の特徴が波数に強く依存していることが分かったことである。このことは、波数によって水平方向の熱輸送のメカニズムが異なることを示しており、気象学の上で極めて重要な意味がある。2年目の平成8年度には、長時間実験を可能にするため、パソコンを用いた自動追跡システムを完成し、又スリ-テックデイビス社の協力を得て染料カプセルを試作しそれをトレーサー粒子として用いることを可能にした。今後はどの様な物理的条件で長時間観測を行うかを再検討してから実験を行う計画である。 気象研・菅田氏、京都大学地球物理・余田氏及び東大海洋研・木村氏との議論と地球物理図書及び東大海洋研図書における資料収集により気象・海洋学におけるカオス的解析さらに実験データからリアプノフ数・フラクタル次元の計算法を調べた。これから行う長時間追跡実験のデータの解析においてこの成果を生かしていく予定である。
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