研究概要 |
平成7年度〜平成9年度の3年間の調査・研究により以下の事が明らかになった. (1)本変成帯におけるグラニュライト相の温度・圧力条件は,750〜900℃・0.45〜0.5MPaであり,泥質および塩基性変成岩類は部分融解を被っている。 (2)泥質および塩基性変成岩類のリューコゾームは部分融解物(メルト)が移動・濃集した部分,メラノゾームは溶け残った部分,メソゾームはメルトが生じたが移動しなかった部分で原岩の化学組成を保持している部分である。 (3)泥質岩で起こった部分融解反応は,D帯(750〜800℃)およびE帯(800〜850℃)では,それぞれ以下のようである: 1.3黒雲母+78.3斜長石+4.6カリ長石+水=100メルト+3.2珪線石+191石英・・・(D帯), 13.4黒雲母+8.6斜長石+15.6石英+16.9珪線石=100メルト+13.7カリ長石+10.8菫青石・・・(E帯). (4)塩基性岩で起こった反応は,E帯低温部(E_1帯)およびE帯高温部(E_h帯)では,それぞれ以下のようである: 0.77ホルンブレンド+10.00斜長石+0.01イルメナイト=0.04磁鉄鉱+10.98メルト・・・・・・・・・・(E_1帯), 1.85ホルンブレンド+10.00斜長石+0.01イルメナイト=0.01磁鉄鉱+23.96メルト+単斜輝石・・・(E_h帯). (5)塩基性変成岩の原岩はN-MORBである.
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