研究概要 |
研究成果報告の概要は次のとおりである。 (1)熱水変質岩中に生成したゼオライトの種類,産状,分布,生成条件の総括:ゼオライトはアルカリ性熱水溶液から約45種類のすべてが生成する.このゼオライト化作用は、カルシウム珪酸塩型,カルシウム-ナトリウム珪酸塩型,ナトリウム珪酸塩型に大別され、しばしば複数のゼオライトが累帯分布をしている.グローバルにみると、熱水性ゼオライトは主として造山帯火山弧における現在または過去の地熱地帯に集中している.しかし,その他にもプレート内部の地熱地帯の温度履歴のみならず,熱水の化学的性質の変遷も明らかになる可能性があるが、液体包有物やアイソトープのデータが得られず,ボーリング孔中の溶液データなど断片的にしか生成条件はわかっていない. (2)古遠部黒鉱鉱床地域の玄武岩中の変質鉱物の地球化学的研究:緑泥石と緑簾石の液体包有物温度の測定の結果,前者は230^〜と250℃,250^〜280℃,と生成温度に違いがみられた.また,前者の溶液/岩石比は生成時には最高40と高く,後者は0.1^〜0,8と小さい.溶液/岩石比が異なることに基づくのであろう。 (3)南部フォッサマグナ地域の熱水性鉱床の硫黄同位体組織について測定した結果,大きく3つに区分され,母石の違いに基づくと考えられる。 (4)北海道紋別市から産出したferrieriteについて (5)兵庫県生野鉱山から産出したpavoniteについて (6)埼玉県秩父鉱山産semseyiteの再検討 (7)山梨県乙女鉱山末広脈の鉱化作用について
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