研究課題/領域番号 |
07640653
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小林 憲正 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (20183808)
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研究分担者 |
斉藤 威 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (80013431)
金子 竹男 横浜国立大学, 工学部, 教務職員 (50191987)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 原始地球大気 / 火星大気 / 宇宙線 / アミノ酸前駆体 / アミノ酸 / 質量分析法 / シアン化水素 / アルデヒド |
研究概要 |
(1)模擬原始地球大気や現在の火星の大気をモデルとした種々の組成比二酸化炭素・一酸化炭素・窒素・水の混合気体に宇宙線の主成分である高エネルギー陽子線(東京工業大学ヴァンデグラフ加速器)を照射した。また、比較としてタイタンをモデルとしたメタン・窒素・水の混合気体への陽子線照射及び花火放電も行った。生成物の一部を酸加水分解した後、これをアミノ酸分析計で分析したところ、いずれの試料からもアミノ酸の生成が確認された。また、ウラシルの生成も確認された。二酸化炭素を主とし、一酸化炭素・窒素・水を副成分として含むような大気からもアミノ酸の生成が十分に可能であることがわかった。 (2)(1)の生成物(加水分解前)のシアン化水素、アルデヒド類、アンモニア、尿素などの分析を行った。シアン化物イオン電極法では、シアン化物イオンのほか、グリコロニトリルも同時に定量されることがわかったので、その分別定量を行った。アルデヒドはDNPH誘導体化後、高速液体クロマトグラフ法で分析した。これらの結果から、(i)エネルギーや出発材料によりシアンとアルデヒドの生成量、生成比は大幅に変化する、(ii)アミノ酸生成経路としてはシアン化水素、アルデヒド、アンモニアからのストレッカー反応によるものはメインではない、(iii)シアン化水素の気相および液相中での重合による高分子化合物が主要なアミノ酸前駆体らしい、などの知見が得られた。 (3)宇宙線の原始地球(火星)および星間空間でのフラックスの推定を行った。アミノ酸などの有機物生成の効率を考慮すると、いずれの場合でも宇宙線エネルギーは放電などのエネルギーよりも重要であることが示唆された。星間塵環境下での有機物生成量は下限値しか得られていないが、それでも彗星をとおして供給される有機物量は惑星大気中で生成する有機物に対して無視しえないことがわかった (1)の実験生成物をモデルとして、火星上の有機物の分析法について検討した。Vikingで用いられた熱分解(PY)GC/MS法や、FAB-MS法などから得られる有用な情報は少ない。今後は試薬添加-PY-GC/MS法やMALDI-MS法がより有用と考えられるため、これらの手法について検討を行う予定である。
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