研究課題/領域番号 |
07640656
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 和博 名古屋大学, 理学部, 教授 (90111624)
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研究分担者 |
榎並 正樹 名古屋大学, 理学部, 助教授 (20168793)
足立 守 名古屋大学, 理学部, 教授 (10113094)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 飛騨帯 / 領家帯 / CHIME年代 / 水無花崗岩 / 船津花崗岩 / 新城ト-ナル岩 / 太田切花崗岩 / モナザイト |
研究概要 |
本研究では、飛騨変成帯の形成過程:(1)飛騨変成岩の原岩堆積年代と後背地、(2)累進および後退変成の各ステージのタイムスパン(3)ペルム紀末の灰色花崗岩と変成作用の時空関係、(4)ジュラ紀船津花崗岩の固結過程と飛騨帯の冷却上昇、の解明を目的とし、堆積岩源変成岩中の砕屑・変成モナザイトや花崗岩中のモナザイトのCHIME年代の測定および変成岩の全岩化学分析と鉱物共生の解析を行った。また、飛騨変成帯と比較するために、同様な高温変成帯である領家帯の変成温度-圧力の時間変化の解析も実施した。 これにより、飛騨帯、天生地域の片麻岩は石炭以降の堆積岩が約250Maに変成したものであること、変成作用に引き続く水無花崗岩の貫入が237Maペグマタイトの貫入が約180Maであること、ペグマタイトはポスト変成作用の船津花崗岩類に関係したものであることを明らかにした。領家帯では約100Maに各閃岩相の変成度に達してから花崗岩が貫入したこと、花崗岩類のうち約86Maの新城ト-ナル岩は紅珪石-カリ長石共生の接触変成帯を生じているので珪線石-カリ長石の鉱物共生の領家広域変成作用から新城ト-ナル岩の貫入までの間に領家帯が上昇したこと、新城ト-ナル岩より地質学に新しい太田切花崗岩の約100MaというRb-Sr全岩アイソクロン年代は同位体不均質を反映しており、モナザイト年代は76.3〜77.4Maであることを明らかにした。さらに、領家帯の西部と東部の変成岩と花崗岩のCHIMEモナザイト年代の測定から、領家変成作用が約100Ma・最古期花崗岩類の活動が約95Maであること、ポスト変成作用の花崗岩の活動が約86Maに始まったこと、東部地域では花崗岩活動が約67Maまで継続したことを明らかにした。これは領家帯の変成深成活動が年代とともに東に移動するという従来のモデルに疑問を投げかけるものである。
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