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線形ポリエンの最低励起三重項状態の性質に及ぼす単結合、二重結合ねじれ回転の効果

研究課題

研究課題/領域番号 07640663
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理化学
研究機関宮城教育大学

研究代表者

池山 剛  宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (50159646)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワードシス-スチルベン / 励起三重項状態 / 燐光 / ESR
研究概要

【序論】線形ポリエンのモデルであるスチルベンの二重結合と単結合のねじれ回転をメチレン鎖等により部分的に束縛したモデル化合物の燐光、ESR測定を行い、スチルベンの最低励起三重項状態のエネルギー曲面と減衰速度定数のポテンシャル依存性を明らかにすることを目的とした。
【結果】(1)合成と精製:6種類のスチルベンモデル化合物を合成し帯域熔融法により精製した。以下では、測定の完了している5H-ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(以下DBCH)についてのみ記す。
(2)燐光スペクトル測定:定常光励起の燐光発光スペクトルを測定した。燐光は微弱であるが振動構造が明瞭にみられ、三重項状態のエネルギーが(220KJmol^<-1>)と決定された。
(3)燐光減衰曲線の測定:燐光強度の時間変化から、最低励起三重項状態の寿命を14msと決定した。
(4)ESR測定:77Kにおいて光励起下のESR測定を行い、ESR信号を得た。照射光遮断後の信号の時間変化から求めた寿命は上記の燐光からの結果と一致した。また、時間分解ESR法により零磁場分裂パラメーターを決定した(D=0.104cm^<-1>、E=0.022cm^<-1>)。
【考察】得られた燐光スペクトルは、従来の報告と異なる。今回の結果は、(1)帯域熔融法により十分に精製された試料に対する測定であること、(2)燐光とESRから得られた寿命が一致していること。
(3)基底状態-三重項状態吸収から報告されている遷移エネルギーと燐光のエネルギーが一致すること、のためにDBCHの燐光と結論できる。すなわち、シス-スチルベンの構造を固定したDBCHについて遷移エネルギー、寿命、燐光の振動構造、零磁場分裂定数が初めて明らかにされた。更に、他の化合物の結果とあわせて、スチルベンの最低励起三重項状態のポテンシャル曲面を明らかにしていく。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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