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ラジカル反応対における分子間相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 07640664
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理化学
研究機関東京大学

研究代表者

大島 康裕  東京大学, 教養学部, 助手 (60213708)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード不安定分子種 / フリーラジカル / 分子錯体 / 分子間相互作用 / マイクロ波分光 / 超音速ジェット
研究概要

本研究の目的は、ラジカルのように化学的に活性な分子種が関与する分子間相互作用を、高分解能分光法を駆使することによって解明し、ラジカル反応の微視的過程の詳細が迫ろうとするものである。具体的には、最も基本的なラジカルであるOHもしくはSHと原子や分子とが結合して生成する分子錯体を取り上げ、回転スペクトルの測定によって幾何学的構造、内部運動、結合性について分光学的に明らかにすることを目指した。測定法としては、ラジカルの前駆体であるH_2OやH_2Sを希ガス中に希釈した試料を、超音速ジェットとして噴出しながらパルス的に放電することによってラジカルを含む分子錯体を生成させ、高い検出感度を持つフーリエ変換マイクロ波分光法によって回転遷移を観測するという手法を用いた。原子とラジカルが結合した系としてOH-NeとSH-Arの回転スペクトルを初めて観測した。既に観測に成功しているOH-Ar,OH-KrとOH-Neの結果を比較することにより、OHラジカル周りの分子間ポテンシャルが希ガスパートナーによりどの様に変化するかを系統的に明らかにすることができた。一方、SH-Arでは見かけの遠心力歪み定数が負になるという異常が見いだされ、SHラジカルに関する分子間ポテンシャルはOHと様相が異なることが示唆される。ラジカルと分子よりなる系としてはOH-H_2OおよびSH-H_2Sのものと思われるスペクトルを観測することに成功した。スペクトルのパターンは極めて複雑で、OH,SHラジカル単体中での電子軌道・スピン角運動量の結合様式が、近傍に存在する分子の影響によって大きく変化したためであると考えられる。詳細は現在解析中であるが、OH+H_2O→H_2O+OHのような基本的なラジカル反応と直接対応する系において、近接する分子によるラジカルの電子状態の変化を分光学的に検証した初めての研究例である。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Ohshima他: "Fourier-trawsform micro wave spestroscopy of triplet carbon monoxidas,C_2O,C_4O,C_6O,andC_8O" The Journal of Chemical Physics. 102. 1493-1500 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] T.Ogata他: "Rotational spectra and structures of carbon monoxides C_5O,C_7O,andC_9O" The Journal of American Chemical Society. 117. 3593-3598 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Kasai他: "Pure rotational spectrum of FeCO" The Journal of Chemical Physics. 103. 90-95 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Ohshima他: "Fourler -transform microwave spectroscopy of CCN(X^2π1/2)" The Journal of Molecular Spectroscopy. 172. 225-232 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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