研究課題/領域番号 |
07640674
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 隆史 (1996-1997) 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027059)
倉田 博基 (1995) 京都大学, 化学研究所, 助手 (50186491)
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研究分担者 |
倉田 博基 日本原子力研究所, 東海研究所, 研究員 (50186491)
小林 隆史 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027059)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 高分解能 / 電子線エネルギー損失分光法 / エネルギー選択像 / 非弾性散乱 / 結合状態マッピング / 元素マッピング / 状態分析 / 電子顕微鏡 / EELS |
研究概要 |
本研究の目的は二つあった。一つは高分解能電子顕微鏡と電子線エネルギー損失分光法を複合的に用いることにより、ナノ領域の元素分析方法および結合状態分析法を確立することであり、とくにスペクトルとして得られる情報を二次元電子顕微鏡像として可視化する元素分布像の分解能限界を論理的にも、実験的にも評価することであった。二つ目はスペクトルに現れる吸収端微細構造を利用した同種元素の結合状態の差を視覚的に捉える、いわゆる化学マッピング法の可能性を探ることである。得られた結果を箇条書きにすると以下のようになる。 1:元素分布像としての電子顕微鏡像の分解能は理論的には0.3nmである。 2:本研究で得られた実験的分解能限界は0.9nmであり、理論値との差は試料の電子線照射損傷のためである。 3:理論的分解能限界は電子顕微鏡の分析能が充分高い場合には非弾性散乱過程そのものの非局在性に原因がある。 4:結合状態の違いを視覚的に捉えることが可能であることを実証した。すなわち3d電子を持つクロム金属に結合した酸素と3d電子を持たないシリコンに結合した酸素を別々の像として撮影することができ、それらの試料内位置が判別できた。 5:元素分布像として元素種を定量的に捉える得る限界は炭素原子の場合で約20原子であった。 6:元素の定量的解析には非弾性散乱断面積の計算に相対論補正が必要であり、その補正方法を確立した。これにより従来よりさらに高い精度での分析が可能になった。
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