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アズレンを含む高度に安定なカルボカチオンの合成と構造

研究課題

研究課題/領域番号 07640705
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 有機化学
研究機関岩手大学

研究代表者

浅尾 豊信  岩手大学, 教育学部, 教授 (70004273)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワードアズレン / 超安定カルボカチオン / pK_R+ / 分子プロペラ / 動的立体化学 / フリップメカニズム
研究概要

1,アズレンがナフタレンの異性体の炭化水素であるが、極性構造を示すことを利用し、極めて安定なトリアズレニルメチルカチオン及びその各種の誘導体を得、特にヘキサ-t-ブチル体はpK_R+14.3という、最も安定なカチオンであることを見いだした。またジアズレニルフェニル-、アズレニルジフェニルメチルカチオン類も合成し、安定性の検討及び酸化還元電位等を測定した。
2,これらのカチオンは分子プロペラとしての性質を有し、その動的立体化学を温度可変NMRによって研究し、これをflip mechanismに従ってコンピュータによって解析し、one-ring flip機構で回転する初めての例であることを見いだした。またそれぞれの環にすべて異なる置換基を持つカチオンを合成し、この場合も同じ機構で回転すること及びこの解析手法の正当性を証明した。
3,2位にメチル基を有するトリ(2-メチルアズレニル)メチルカチオンではその動的立体化学はtwo-ring flipに変化すること、その前駆体のトリ(2-メチルアズレニル)メタンの動的立体化学についてもtwo-ring flipで回転することを見いだした。
4,1-及び2-ナフチル基と二個のアズレン環からなるメチルカチオン類を合成し、その安定性は極めて高いこと、またその動的立体化学についてナフチル基についてone-ring flipで回転回転している等の興味ある結果を得た。
5,6-メトキシアズレンからトリ(6-メトキシアズレニル)メチルカチオンを得、このものが炭化水素ではないが、これまで知られているカチオンの中で最も高い14以上(正確な値は測定不能)のpK_R+値を有することを見いだした。
6,アズレンに関するわれわれのこれまでの研究を総合論文として取りまとめた。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 伊東俊司: "Synthesis of Azulene Analogues of Triphenylmethyl Cation : Extremely Stable Hydrocarbon Carbocation and the First Example of a One-Ring Flip as the Threshold Mechanism for Molecular Propellers" Bull.Chem.Soc.Japan. 68. 1409-1436 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 伊東俊司: "Synthesis and Dynamic Stereochemistry of Bis (3-methyl-1-azulenyl- (1-Naphthyl) methyl Hexafluorophosphate. Clear Evidence of the One-Ring Flip Mechanism of Molecular Propeller by Controlling the Flipping Ring." Chemistry Letters. 475-476 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 伊東俊司: "Synthesis and Dynamic Stereochemistry of a Tris (1-azulenyl) methyl Cation Containing a Different Substituent on Each Azulene Ring." Bull.Chem.Soc.Japan. 68. 2011-2016 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 伊東俊司: "Synthesis and Dynamic Stereochemistry of Tri (2-methyl-1-azulenyl) -methyl Cation and the Coresponding Methane Derivative. Evidence That the Conjugative Effect Largely Contributes to the Transition State of the Ring Flipping" Bull.Chem.Soc.Japan. 68. 2639-2648 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 伊東俊司: "Synthesis and Dynamic Stereochemistry of Di (1-azulenyl) (1-and 2-Naphthyl) methyl Hexafluoro phosphates. Clear Evidence of the One-Ring Flip mechanism of Molecular Propeller by Controllingthe Flipping Ring" Bull.Chem.Soc.Japan. 68. 3611-3620 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 伊東俊司: "The Most Stable Methylcation. Tris (6-methoxy-1-azulenyl) methyl Hexafluorophophate." Chemistry Letters. 175-176 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 浅尾豊信: "アズレンを含む新規π電子系化合物の合成と物性" 有機合成化学協会誌. 54. 2-14 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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