研究概要 |
研究代表者・分担者が構成する研究室が1972年以来現在に至るまで行って来たシアノ基架橋多次元金属錯体ならびにそれらをホストとする包接体の合成・構造解析研究の総括として,約350種に及ぶ単結晶構造解析データを整理し,構造的特徴が明確となる約300種について,1:正方平面4配位[Ni(CN)_4]^<2->,II:四面体4配位[Cd(CN)_4]^<2->,III:直線2配位[Ag(CN)_2]^-を基本構成要素とするものにそれぞれ分類し,さらにそれらの位相幾何学的特徴に従い,I(計156種)については16,II(計119種)については6,III(計33種)については6の亜族に分類し,これら多次元錯体の構造原理を,シアノ錯イオン立体構造,シアノ基架橋距離ならびに二次配位子の立体構造との関連によつて説明した。今年度に新たに加えられた単結晶構造解析結果ならびに包接体の分離媒体挙動については平成8年10月錯体化学討論会(福岡)で講演発表し,速報3報,論文5報(別に印刷中7報,投稿中2報)として印刷発表すると共に,同年7月国際固体有機化学会議招待講演(松山)ではIIの有機化学構造との関連について,同8月国際包接体化学セミナー(イスタンブール)総会講演では全体について発表した。総括的報告は国際専門学術雑誌総説論文ならびに新たに企画された国際専門書シリーズ「総合超分子化学(仮訳)」第6巻「固体超分子化学:結晶エンジニアリング」9章の担当執筆によって印刷発表される予定になっている。
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