研究課題/領域番号 |
07640767
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 山口東京理科大学 |
研究代表者 |
木下 實 山口東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (40011530)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 有機強磁性体 / 強磁性相互作用 / 相転移 / 多形 / ガルビノキシル / p-NPNN / 水素結合 / 結晶構造 |
研究概要 |
有機強磁性体の発見において、基本となった物質はガルビノキシルとp-ニトロフェニルニトロニルニトロキシド(p-NPNN)であるが、これらの物質の結晶にはいずれも多形がある。またその後、磁性と結晶構造の関係を調べる過程で、後者の基本骨格となるニトロニルニトロキシド(HNN)も研究したが、これにも二種の多形があり、異なる磁性を示すことが明らかになった。これらは、磁性発現の機構を解明する上でも重要であるが、同時に結晶構造の決定因子を調べる上でも格好な研究材料を提供していると考えられる。ガルビノキシルは、高温相で強磁性相互作用を示すが、85 K以下の低温相では反強磁性相互作用を示すようになる。その原因を探る目的では、低温の結晶構造解析が重要になる。昨年度に続きその努力を進め、10Kでのx線回折パターンは得いるが、冷却する段階で結晶が壊れるために、余計な回折点が含まれるので、その解析には手間取っていて最終的な結論は得られていない。現在も鋭意努力している。一方、この結晶に7kbar程度の圧力を加えると、磁気測定では転移が抑えられ、しかも強磁性相互作用が残ることが判明した。これによって、従来の不純物を混入する方法ではなく、純物質で磁気相互作用を研究する方法が見いだされた。一方、p-NPNNの4つの多形の間の相関に関しては、モデル計算によって、格子振動の中で分子のライブレーションが関係するモードが重要な寄与をしていることが分かってきた。今後熱測定、ラマンスペクトルの温度変化の測定などによって、このモデルの妥当性を検討していく予定である。
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