研究課題/領域番号 |
07640796
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
大橋 弘三郎 茨城大学, 理学部, 教授 (60007763)
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研究分担者 |
井村 久則 茨城大学, 理学部, 教授 (60142923)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 8-キノリルール誘導体 / ガリウム(III) / 選択的分離 / 溶媒抽出 / 抽出定数 / 分子設計 |
研究概要 |
抽出試薬に長鎖のアルキル基を導入した疎水性抽出試薬はその母体にはない機能を発現することから、その抽出性や選択性に関心が持たれている。本研究では長鎖8-キノリノール誘導体によるガリウム(III)の抽出分離における選択性を支配する因子を明らかにすることを目的として、5-ヘキシルオキシメチル-8-キノリノール(HO_6Q)、2-メチル-5-ヘキシルオキシメチル-8-キノリノール(HMO_6Q)、2-ブチル-5-ヘキシルオキシメチル-8-キノリノール(HNBO_6Q)及び2-tert-ブチル-5-ヘキシルオキシメチル-8-キノリノール(HTBO_6Q)を合成し、ガリウム(III)の酸性溶液からのヘプタンへの抽出特性及びガリウム(III)のアルミニウム(III)からの分離について検討した。HO_<>Q、HMO_6Q及びHNBO_6QによるGa(III)の抽出種は、それぞれGa(O_6Q)_3、Ga(OH)(H_2O)(MO_6Q)_2及びGa(OH)(H_2O)(NBO_6Q)_2で、それぞれの抽出種の抽出定数が求められた。HNBO_6Qの抽出定数がHMO_6Qのそれより小さいのは、2位のアルキル基ががさだかくなるにつれて錯体の生成定数が小さくなったものと考えられる。HTBO_6では、Ga(III)はほとんど抽出されなかった。これは2位のtert-ブチル基による立体障害がかなり大きいためと考えられる。Kelex100及びHO_8QではGa(III)が1:3錯体として抽出され、それらのK_<ex>は8-キノリノールによるそれと大差ないことから8-キノリノールの5位及び7位の長鎖のアルキル基の立体効果はほとんどないものと推察される。合成された8-キノリノール誘導体の中でHNBO_6QはAl(III)の存在下でGa(III)に対して最も高い選択性を示した。8-キノリノール誘導体の2位のアルキル基の大きさがGa(III)のAl(III)からの選択的分離において重要な役割を果していると考えられる。HNBO_6Qは分析化学的に有用な抽出試薬となりえると期待される。
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