研究課題/領域番号 |
07640820
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
沓掛 和弘 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (90143362)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 細菌鞭毛 / 遺伝子発現制御 / アンチシグマ因子 / 蛋白質輸送 / 輸送スイッチ |
研究概要 |
サルモネラの鞭毛レギュロンの発現は鞭毛形態形成過程と共役している。この共役は、特異的シグマ因子であるFliAとそれに対するアンチ・シグマ因子であるFlgMの細胞内濃度の調節によって行われている。FlgMは鞭毛基部構造が完成するとその構造体内を通って細胞外へ分泌されその細胞内濃度が低下し、FliAが活性化されてFliA支配下にある鞭毛形態形成の後期過程に関与する遺伝子群が発現されるようになる。したがって、この共役過程ではFlgMの細胞外輸送制御機構が重要な役割を果たしている。本研究では、FlgMの細胞外輸送の制御系として、鞭毛基部形成の完成をモニターしてFlgMの細胞外輸送を開始させる過程(輸送スイッチ機構)とFlgMの細胞外分泌量を制御する過程(輸送量制御機構)の2つがあることを明らかにし、それぞれの過程に関わる因子を遺伝学的解析法により同定することに成功した。 1.輸送スイッチ機構:この過程に関与する遺伝子として、flhBとrflHの2つを同定した。これら2つの遺伝子の産物は、それぞれ独立に鞭毛基部形成完成のシグナルに呼応し、FlgM輸送のゲートを開閉する。FlhBゲートの開門にはFliK蛋白質が必要であるが、RflHゲートの開門には必要でない。 2.輸送量制御機構:この過程に関与する遺伝子として、fliD、fliS、fliTの3つを同定した。これらの遺伝子の産物のいずれの1つが失われても、FlgMの輸送制御が完全に失われることから、これら3つは共同して1つの輸送制御装置を構成しているものと考えられる。 3.2つの機構間の関係:輸送スイッチ機構は鞭毛基部構造完成前のFlgMの輸送の負の制御系であり、輸送量制御機構は鞭毛基部構造完成後のFlgMの輸送の負の制御系であると考えられる。
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