研究課題/領域番号 |
07640879
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物形態・構造
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
能村 哲郎 埼玉大学, 理学部, 教授 (40072970)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | アヒル鳴管 / 性的二型 / 左右非対称形 / 軟骨細胞 / エストロゲン / パラクリン因子 / アロマターゼ阻害物質 |
研究概要 |
1.鳴管は鳥類の発声器で、軟骨性の鼓室を持つ。アヒルでは、雌の鳴管が小形で左右対称形であるのに対し、雄の鳴管は大形で、左半分が異常に膨らんだ左右非対称形を示す。この顕著な性的二型の発現は、(1)胚期の臨界期に、鳴管の右半分の発達が左半分から分泌される因子により抑制されることと、(2)雌胚では卵巣から分泌されるエストロゲンが、この左から右への抑制作用を阻止すると共に、鳴管軟骨細胞の増殖と軟骨形成を制限することによることが、これまでに明らかになった。 2.そこで、(1)鳴管の左半分の細胞から分泌され、右半分の軟骨細胞の増殖と軟骨形成を抑制して、雄型の左右非対称形の発達をもたらす内因性パラクリン因子の同定、及び(2)鳴管の大きさの性差発現に対する遺伝子的要因と性ステロイド(特にエストロゲン)の関与の程度についての検討が行われた。 3.鳴管パラクリン因子は、性的二型分化の臨界期である10日胚の雄鳴管の左半分から単離した細胞を培養し、培養液中に放出された因子を、鳴管の右半分からの軟骨細胞の増殖・軟骨形成抑制を指標にして、液体クロマトグラフィで精製した。その結果、既知の細胞増殖阻害物質の一つが、左半分の細胞を培養した培養液中に多量含有されてあり、この物質の市販製品が同様の作用を示すことから、この物質に対する抗体を用いて、さらに検討を進めている。 4.鳴管の大きさの性差に対する遺伝的要因と生殖腺ステロイドの関与について、孵卵3日の発生卵に、アロマターゼ阻害物質、抗エストロゲン物質、非芳香化アンドロゲンおよびエストロゲンを、単独または組み合わせて投与し、生殖腺および鳴管に生じる形態変化を調べ、アロマターゼ阻害物質による鳴管の雄型化を得た。
|